R-style

Sharing is Power! / Create your own way.

Menu
  • ホーム
  • About
  • メルマガ
  • 著作リスト
  • Evernoteの使い方
  • Scrapboxの使い方
  • Tools
  • お問い合わせ
Menu

アウトライナーと思考について

Posted on 2014 年 9 月 12 日2014 年 9 月 11 日 by Rashita

以下の記事を読みました。

アンドロイドはアウトライナーの夢をみるか?[Sall Talk](るうマニアSIDE-B)

私たちの「思考」とアウトライナーの関係性について考察されています。

面白そうなので、私も考えてみましょう。

脳内に生まれるもの

なので,その考えにいろいろ理屈づけようとしたときに,「生活すべて」とまではいかなくても.少なくとも「思考システム」はアウトライナーと相補作用があるのかも,と思った.そしてそれは,アウトライナーのもつ「方向性」と「単一性」のためなのかもしれない.

まず、「生活すべて」ではなく、「思考システム」に限定してあるのがポイントでしょう。この視点は大切です。思考というのは、人の意識の大部分を占めるように感じますが、実際は違います。全体からすれば、ほんの一部分でしかない、といっても言いすぎではないでしょう。

たとえば、思考と感情は違います。これはもう明確に違います。で、感情をアウトライナーで扱えるか。

これはノーです。むしろ、感情を表現することすら難しいかもしれません。できるのは感情を言葉に落とし込んだものを、アウトラインの項目として入力することぐらいです。感情そのものと、感情を言葉に落とし込んだものは、正確にはイコールではありません。それは想像や共感という橋によって、ようやく結びつくものです。その橋が不良品なら、途中で落ちてしまうでしょう。

私たちは、誰かが好きであると同時に、その人が嫌いという感情をわりと頻繁に持ちます。でもそれを、

私はあの人が好きである。私はあの人が嫌いである。

と書いても、あまり意味はありません。

私はあの人が好きであると共に、嫌いである。

書いても同じです。言語的表現をするならば、「私はあの人が好きである」と「私はあの人が嫌いである」という文字を重ねて表示し、さらにそれぞれのフォントサイズを感情の強さによって変更する必要があるでしょう。言葉の限界を、なんらかの補助を使って乗り越えるしかないのです。もちろん、アウトライナーでそんなことはできませんし、できる必要もありません。

これは感情が不完全で不十分だ、ということではありません。言葉が持つ限界性がそこにあるだけの話です。

脱線が過ぎました。

ともかく「思考システム」(あるいは「思考プロセス」)に限定して、話を進めていきましょう。

意識と時間

なぜなら,人(と思想)というファクターが入り込んだ瞬間に,「時間軸」という要素が切っても切れなくなるから.思考の変遷は,ちょうどTwitterのタイムラインと同じように,常に一定方向に流れていくものなのだ.望む望まざるに拘わらず.

ここで「時間とは何か」という問いが立ち上がってきます。もちろん、物理量として何かしらの定義を与えることはできるのでしょうが、ここに出てくる時間はそれではありません。

ここで言う「時間」とは、意識が流れていく方向のことです。

つまり「時間の流れ」という絶対的なものがあり、私たちがそれを認識しているのではなく、私たちの認知の仕組みに沿って、「時間」なるものが知覚されている、ということです。

だから、私たちの意識と時間は切っても切れません。というか、それは同じものを反対から見ているだけなのです。

その視点に立てば、時間軸と同じコンセプトを持つものは、意識と親和性があることになります。だから、意識が扱いやすいわけです。

マインドマップとアウトライナー

これは,似て非なるものであるマインドマップとの対比を考えると自分にはしっくりいく.同じように自由にみえるアウトライナーとマインドマップの決定的な違いは,アウトライナーには,「いつでも一定の流れがある」ということだと思う.

アウトライナーは、「上から下」という流れが確保されています。アフォーダンスがある、と言ってもよいでしょう。

しかし、マインドマップでは、それが弱まります。一般的には時計回りに要素を見ていくことになるでしょうが、それは強い縛りではありません。アフォーダンスにはなっていません。むしろ、それぞれのノードが目に入るのは「流れ」というよりも「俯瞰」の方が近いでしょう。これはマンダラートでも同じことが言えます。階層という流れはあるものの、一つの階層に含まれる要素は「流れ」よりも「俯瞰」に近いものです。

しかし、このことがマインドマップの特徴をも生んでいます。

私たちの思考には流れがあります。マインドマップに書き込んでいくときも、必ず一つ書いて次、もう一つ書いて次と進んでいきます。でも、私たちの感覚(あるいは無意識から浮かび上がって意識にたどり着こうとしているもの)はシーケンスではありません。同時多発的な感覚も、頻繁に起こりえます。それを拾い上げるのがマインドマップという手法の機能です。

そしてもう一つの思考とアウトライナーの共通点は.「単一性」と簡単に書いてはみたが,つまり「人の思考はいちどにひとつの場所にしか立てない」という原則なのだと思う.

意識的な思考が、シーケンシャルなものであり、パラレルに走るものがないとすれば、「人の思考はいちどにひとつの場所にしか立てない」という指摘はまさにその通りでしょう。

ようするに「釣り竿で釣れる魚は一匹」なのです。でも、池には大量に魚がいます。だから、一匹一匹釣っていき、そばに並べていくわけです。もちろん、網を投げる方法もあります(マインドマップ)。しかし、意識的な思考においては、一定の流れを持ちパラレルに走るものがない方が扱いやすいでしょう。

さいごに

これらはあくまで「意識的な思考」についての言及です。

私は「考える」という言葉と「意識的な思考」という言葉を切り分けて扱っています。前者が指すものは広大であり、後者を内包するものです。だから、上記の話が「考える」にまで敷衍できるかどうかは、また別のお話になります。むしろ、私は無理があるだろうと「考えて」います。

上の「考えて」いるは、意識的な思考ではありません。そういう違いです。

follow us in feedly Tweet
前の記事 次の記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

有料メルマガ配信中!

サークルもやってます

New Book!

すべてはノートからはじまる あなたの人生をひらく記録術

「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)

オススメ本

→これまでの著作一覧
  • →SNS:
  • rashita2 さんのプロフィールを Twitter で表示
  • rashita さんのプロフィールを GitHub で表示

Hot Books!

→紹介記事

→紹介記事

→紹介記事

最近の投稿

  • Scrapboxの2 hop search
  • バトルフィールドはどこか
  • 今更何を書くというのだ
  • WorkFlowyのiOSアプリでキャプチャーする
  • 記憶と記録
  • Evernoteのノートリンクとバックリンク

カテゴリー

  • 0-知的生産の技術 (1,592)
    • BlogArts (123)
    • Evernoteの使い方 (179)
    • Scrapboxの用法 (104)
    • Scrivenerへの散歩道 (22)
    • アウトライナーで遊ぼう (89)
    • プログラミング (11)
    • 執筆法 (45)
    • 断片からの創造 (93)
    • 物書き生活と道具箱 (685)
  • 1-情報ツール考察 (81)
  • 2-社会情報論 (109)
  • 3-叛逆の仕事術 (393)
    • 「タスク」の研究 (261)
  • 4-僕らの生存戦略 (260)
  • 5-創作文 (92)
  • 6-エッセイ (219)
  • 7-本の紹介 (465)
  • コレクション (4)
  • 未分類 (2,836)
    • まとめ記事 (516)
    • 企画 (83)
    • 告知 (264)
    • 感想群 (111)
    • 時事ニュース (1,241)

タグ

#365日の書斎 #AppleScriptでEvernoteを操作する #「目標」の研究 #わりと身も蓋もない話 applescript blog BlogArts CategoryAllegory Dynalist Evernote GTD iPhone・iPad・Mac Logseq Scrapbox Scrivener Workflowy 〈学びの土曜日〉 「本」の未来 『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』 うちあわせCast ささやかな質問 ほぼ日手帳 アウトライナー アナログ道具あそび ショートショート セミナー・オフ会・イベント セルフ・ブランディング タスク管理 ノート ノート術 ポッドキャスト 哲学 思想 思考の技術 情報カード 情報摂取の作法 手帳術 政治・社会 文房具 文章の織り方 新しい時代を生きる力 書評 発想法の探求 経済・金融 電子書籍

アーカイブ

メタ情報

  • ログイン
  • 投稿フィード
  • コメントフィード
  • WordPress.org
  • Links
    • シゴタノ!
    • Lifehacking.jp
    • Word Piece
    • gofujita notes
    • 23-seconds blog
    • iPhoneと本と数学となんやかんやと
  • my favorite articles
    • 1に満たないものを繰り返し足していく
    • 冷蔵庫の裏のほこり

My Works

著作リスト

著作リスト

アーカイブ

カテゴリー

アーカイブ

  • 2023年2月
  • 2023年1月
  • 2022年12月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月
  • 2018年4月
  • 2018年3月
  • 2018年2月
  • 2018年1月
  • 2017年12月
  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月
  • 2017年5月
  • 2017年4月
  • 2017年3月
  • 2017年2月
  • 2017年1月
  • 2016年12月
  • 2016年11月
  • 2016年10月
  • 2016年9月
  • 2016年8月
  • 2016年7月
  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月
  • 2016年2月
  • 2016年1月
  • 2015年12月
  • 2015年11月
  • 2015年10月
  • 2015年9月
  • 2015年8月
  • 2015年7月
  • 2015年6月
  • 2015年5月
  • 2015年4月
  • 2015年3月
  • 2015年2月
  • 2015年1月
  • 2014年12月
  • 2014年11月
  • 2014年10月
  • 2014年9月
  • 2014年8月
  • 2014年7月
  • 2014年6月
  • 2014年5月
  • 2014年4月
  • 2014年3月
  • 2014年2月
  • 2014年1月
  • 2013年12月
  • 2013年11月
  • 2013年10月
  • 2013年9月
  • 2013年8月
  • 2013年7月
  • 2013年6月
  • 2013年5月
  • 2013年4月
  • 2013年3月
  • 2013年2月
  • 2013年1月
  • 2012年12月
  • 2012年11月
  • 2012年10月
  • 2012年9月
  • 2012年8月
  • 2012年7月
  • 2012年6月
  • 2012年5月
  • 2012年4月
  • 2012年3月
  • 2012年2月
  • 2012年1月
  • 2011年12月
  • 2011年11月
  • 2011年10月
  • 2011年9月
  • 2011年8月
  • 2011年7月
  • 2011年6月
  • 2011年5月
  • 2011年4月
  • 2011年3月
  • 2011年2月
  • 2011年1月
  • 2010年12月
  • 2010年11月
  • 2010年10月
  • 2010年9月
  • 2010年8月
  • 2010年7月
  • 2010年6月
  • 2010年5月
  • 2010年4月
  • 2010年3月
  • 2010年2月
  • 2010年1月
  • 2009年12月
  • 2009年11月
  • 2009年10月
  • 2009年9月
  • 2009年8月
  • 2009年7月
  • 2009年6月
  • 2009年5月
  • 2009年4月
  • 2009年2月
  • 2009年1月
  • 2008年12月
  • 2008年11月
  • 2008年10月
  • 2008年9月
  • 2008年8月
  • 2008年7月
  • 2008年6月
  • 2008年5月
  • 2008年4月
  • 2008年3月
  • 2008年2月
  • 2008年1月
  • 2007年12月
  • 2007年11月
  • 2007年10月
  • 2007年9月
  • 2007年8月
  • 2007年7月
  • 2007年6月
  • 2007年5月
  • 2007年4月
  • 2007年3月
  • 2007年2月
  • 2007年1月
  • 2006年12月
  • 2006年11月
  • 2006年10月
  • 2006年9月
  • 2006年8月
  • 2006年7月
  • 2006年6月
  • 2006年5月
  • 2006年4月
  • 2006年3月
  • 2006年2月
  • 2006年1月
  • 2005年12月
  • 2005年11月
  • 2005年10月
  • 2005年9月
  • 2005年8月
  • 2005年7月
  • 2005年6月
  • 2005年5月
  • 2005年4月
  • 2005年3月
  • 2005年2月
  • 2005年1月
  • 2004年7月
  • 2004年6月
  • 2004年5月
  • 2004年4月
  • 2004年3月
©2023 R-style | WordPress Theme by Superbthemes.com