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ポスト安倍 自民党総裁選

さて、福田氏の立候補が決まり、額賀氏が立候補を断念したことで福田VS麻生の構図がしっかりとできあがりました。麻生氏にとってはかなり厳しいところでしょう。各派閥がそれぞれ候補者を立てて票が分散すればなんとか戦える形になったのでしょうが、さすがにこれほどがっちりと各派閥が固まってしまうと、いくら地方票を抱え込んでいたとしてもかなり厳しい戦いを強いられることは間違いありません。

福田・麻生氏、消費増税「検討」・自民総裁選(日本経済新聞)

福田、麻生両氏による一騎打ちとなった総裁選は、麻生派を除く8派閥からの支持を得た福田氏が国会議員票(387票)で圧倒的優位に立ち、麻生氏が地方票(141票)の獲得で巻き返しを狙う展開。16日の東京を皮切りに、大阪、高松、仙台の計4カ所で街頭演説会を実施。21日に日本記者クラブで公開討論会を開く。

結果はほぼきまったようなものですが、そのことがさらに自民党にとってよい結果になるのかはかなり微妙なところです。

地方票を抱えているのはどうやら麻生氏なようです。自民党の各国会議員は派閥である程度福田氏が押さえ込んでいるようですが、その支持にずれがあるということ自体が自民党の現状をしめしているのでしょう。
総裁選で福田氏が地方票をも押さえ込んで圧勝という形にならなければ、旧来の自民党の手法に戻ったという評価を受けても仕方がないですし、またその手法が現実の社会からは歓迎されていないという事実も同時に突きつけられるでしょう。

自民総裁選:イメージや言葉のアピール力は? 専門家分析(毎日新聞)

自民党総裁選が本格的に始まった。近年の選挙はイメージや言葉によるアピール力が勝敗を決する傾向が強い。福田康夫元官房長官(71)と麻生太郎・自民党幹事長(66)の初対決となった15日の共同記者会見を専門家に分析してもらった。

毎日新聞のこの分析の記事の内容自体はほとんどどうでもいいんですが、こういう表面的な今年か取り上げられないということは、両氏に取り立てて対立する主張がないということなのかもしれません。

麻生氏は書籍なども少し前に出しており、一応の国家像は提唱されています。福田氏の方は官房長官というスポークスマンをしておられたが、あまり国家像など踏み込んだ内容の主張は今までされてこなかったと思います。

福田氏、外交はアジア重視 内政は安倍路線踏襲(朝日新聞)

自民党総裁選に立候補した福田康夫元官房長官の政権公約が15日、明らかになった。「希望と安心のくにづくり」を表題に、(1)自立と共生の社会(2)ストック型(持続可能)の社会(3)男女共同参画の社会――の柱を提示。外交政策ではアジア重視の姿勢を示すなど、「ハト派」的な色合いをにじませている。ただ、内政面では安倍政権が進めている政策を基本的に踏襲している。

 年金制度では「与野党の壁を越え、国民が納得できる年金制度の構築」をうたったほか、高齢者医療費負担増の凍結を検討するとした。ただ、「改革と成長」路線の継続を打ち出すなど、現政権の政策を継承する姿勢が目立つ。昨年の総裁選で安倍首相が目玉にした「テレワーク人口倍増」も盛り込んでいる。


全文引用させてもらったが、少し細かくみていくとまず表題が「希望と安心のくにづくり」。
くにがひらがな表記になっているあたりハト派の雰囲気が出ていますね。
確かに今の日本に無いもの、希望、安心という重要なテーマがあげられています。
少なくとも美しい国よりはすこしイメージはわきやすいですが、実際それを実現させるためにはどのような手段があるのでしょうか。

(1)自立と共生の社会
自由民主主義にとっては当たり前の社会ですね。ただ自立という言葉の主語はいったい誰なんでしょうか。国民?地方?国?そのあたりがよくわかりません。まあいくら何でも国ではないでしょう。地方はありえます。でもまあ国民ということでしょう。
自立ということは、もちろん自分に依って立つということです。つまり自分のことは自分でせよ、という社会です。そこに安心というキーワードはどのように結びついてくるのでしょうか。共生というのはともに生きるということです。そこに国家像はどのようにつくられるのでしょうか。自立と共生の社会に希望と安心が見えてくるのかちょっと不明確です。

(2)ストック型(持続可能)の社会
これもなんかかっこいいこと書いていますが、イメージはつかみにくいものです。
まあカンフル剤打ちまくってその場しのぎしているだけでなく、体質改善から本当に結構な国家を作っていこうというような大きなイメージなのかもしれません。
しかし、これも為政者としては当然の提言で目新しい感じはありませんし、そこに希望が見いだせるのかも疑問なところです。

(3)男女共同参画の社会
これも実現できれば理想的な社会です。しかし今現状の日本は男女共同参画よりもフリーターやニートを抱え込んでいることの方が問題は大きい気がします。
実際そのあたりを解決しないまま男女共同参画の社会など実現させていいものなのでしょうか。一部の人間には希望と安心はあるが、そうでない人間には絶望と不安しかない社会がこのままでは生まれてしまうという認識はないのでしょうか。

ざっと見た感じでも、実現できたらいいなという大まかでかつ誰しもが反論しにくい提言になっています。これこそが福田節なのですが、リーダーシップという意味ではどうなのでしょうか。今この期に及んで調整型の総理が求められているのでしょうか。
おそらくこういった総理を立てないことには自民党という形そのものが保てないというかなり悲惨な状況においこまれているのかもしれません。

新総裁には「指導力」期待 自民党都道府県連(朝日新聞)

 自民党総裁選の選挙戦が15日、始まったが、新しく選ばれる総裁には何を求めるか――。朝日新聞が自民党都道府県連の幹部に聞いたところ、「リーダーシップ」への期待が高く、「格差是正」や「政治の信頼回復」を求める声がそれに続いた。派閥が一斉に福田氏支持に傾いたことには「挙党一致の結果」と容認する意見がある一方、「政策論争の前におかしい」と異論が出るなど賛否は割れた。

リーダーシップとい
う点においては、麻生氏の方が期待値は高いでしょう。
しかし、がっちり福田氏体制はなかなか崩れ無いでしょう。
自民党国会議員の皆さんががとりあえずこの難局の乗り切る選択として福田氏を選択してしまっている点でもう詰んでいるような気がします。

ほかに掲げる候補はいなかったのでしょうか。

民主、脱「埋没」必死 総裁選中、全国で演説会(朝日新聞)

「総裁選は、始まったとたん終わった。その構造が、今の自民党を象徴している。派閥が完全復活した。私が一番怖かったのは(厚労相の)舛添さんあたりをチルドレンが掲げることだったが、そのエネルギーもない」

これなかなかおもしろい発言なんですが、確かに小泉チルドレン議員が舛添さんを掲げたら非常にインパクトあったでしょうね。とりあえず正面から安倍政権を批判していながらその内閣に入った存在であり、メディア的な露出度も高く、リーダーシップ、アピール力ともに申し分ない感じです。
国民はとりあえず給油活動どうのよりも安心して暮らせる社会という方に重きをおいているでしょうから、自民党が選挙に本気で勝ちたいと考えるならば派閥の壁や年功などを取り払って舛添総理を擁立したら民主党はそうとう焦ったことだろうと思います。

しかし、そのエネルギーも無いという批判はまさにその通りで何とかして自分たちの身を守ろうとこの期に及んでも必死な感じなんですね。国民よりも国会議員のメンツの方が大切なのかもしれません。

かなり結果の見えた選挙ではありますが、行く末を一応見守りたいと思います。


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