献本頂いたので、発売日前に読了できました。
知的生産の技術とセンス ~知の巨人・梅棹忠夫に学ぶ情報活用術~ (マイナビ新書) |
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堀 正岳 まつもと あつし 小長谷 有紀
マイナビ 2014-09-25 |
実際の書評はあたらめてエントリーしますが、ネタ出しをしていたら膨らみすぎてしまったので、別項として当記事を書いてみます。
同一方向、異なる視点
『知的生産の技術』のアップデート。それが本書のテーマです。でもって、私が志していることでもあります。
献本のご連絡を事前に頂いていたので、本書を読む前に(目次も確認しないうちに)まず私なりの考えを記事としてまとめておきました。以下の記事では、Evernoteというわかりやすいツールを主題にしていますが、試みているのは『知的生産の技術』を現代に置き換えることです。
『知的生産の技術』のカード・システムと、Evernote(シゴタノ!)
私はわりと影響されやすいたちなので、パワフルな本を読んでしまうと、すぐに感化されてしまいます。なので、その影響下に入る前に、自分の考えを書き出しておきたかったのです。
で、それを終えた後、本書を読んでみると、「同じ方向を向いているが、同じ視点ではない」と感じました。わかりやすく言い換えれば、自分なら違う本の書き方をしたんだろうな、ということです。これはもちろん朗報です。
私は以前から『今こそ読みたいマクルーハン』の書名をもじって、『今こそ読みたい梅棹忠夫』が現代では喫緊に必要だ、ということをたびたび書いていますが、本書はまさに私が頭に描いていた『今こそ読みたい梅棹忠夫』になっています。
今こそ読みたいマクルーハン (マイナビ新書) |
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小林 啓倫
マイナビ 2013-10-23 |
でも、『知的生産の技術』のアップデート、という形であれば、私はちがった構成をとることでしょう。
※私ならば、「梅棹忠夫」の影はきっとギリギリまで削ると思います。ほんとうにギリギリまで。
それは優劣の問題ではなく、コンセプトの違いにすぎません。
このあたりは、また改めて書評で触れるかもしれません。とりあえず、ここまでみっちり書かれた本があるのなら、私のアイデアノートにある『今こそ読みたい梅棹忠夫』のリストは消してしまっても大丈夫でしょう。これも朗報です。
自分の活動をあらためて振り返る
で、本書を読みながら思いにふけったのですが、「知的生産の技術」として取り上げられているいくつかの要素を、私は単独のテーマとして単著で書いてきていることに気がつきました。
何を今さら、と言われるかもしれませんが、本当にまったく意識していなかったのです。ただ、現代に生きる人に必要だな、と思ったこと本にまとめてきただけなのです。でも、それはある意味で「知的生産の技術」を分解し(ちょっとばかりブラッシュアップして)提示していたことになるのでしょう。
たとえば、Evernoteと知的生産。
EVERNOTE「超」知的生産術 |
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倉下忠憲
シーアンドアール研究所 2011-02-26 |
たとえば、発想法。
Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術) |
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倉下 忠憲
技術評論社 2012-06-30 |
たとえば、ウェブに自分の価値を置くこと。
Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング |
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倉下 忠憲
ソシム 2011-05-30 |
たとえば、読書術。
ソーシャル時代のハイブリッド読書術 |
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倉下 忠憲
シーアンドアール研究所 2013-03-26 |
たとえば、セルフパブリッシング。
KDPではじめる セルフパブリッシング |
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倉下 忠憲
シーアンドアール研究所 2013-12-21 |
現状で欠けているのは「総論」と「文章執筆術」と「書斎論」あたりでしょうか。今まで、あまり意識していませんでしたが、たぶんそれが今後の「課題」となりそうです。
ちなみに、自分で言うのもなんですが、本書と上記の拙著は非常に親和性が高いです。たとえば本書に登場する3極モデルの話は『ハイブリッド読書術』の「自軸」と絡めれば、たいへん強力です。もし関心があれば合わせてお読みください。
さいごに
というようなことを書評に書くと、本の紹介なのか拙著の紹介なのかわからなくなりそうでしたので、切り離して書いてみました。
とりあえず、ビシビシ刺激を受けた一冊です。なんと本書読了後の私の執筆量が1.5倍になったくらいです(やや、おおげさ)。
では、明日あらためて本式の書評を書いてみることにしましょう。
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