執筆法

両方から引っ張る

机の上に乗っている一本の糸を思い描いてください。

その右端をつまんで引っ張ります。もちろん、糸は引っ張られて流れていきます。きっと蛇のような感じになっているでしょう。

もう一度、机の上の糸を思い描いてください。

今度は、その左端を持って引っ張ります。同じように、糸は引っ張られていきます。ダラダラと引っ張られていきます。

では、両端を持って引っ張ればどうなるでしょうか。

糸はその場所で、ピンと張るはずです。

書くこと、読まれること

文章は、誰かに伝えるために書きます。誰かに伝えたいから、文章を書くのです。究極的には、それは業のようなものです。病のようなものです。書かざるを得ないようなものを心に抱え込んでいるから、それを書いてしまうわけです。

でも、だからこそ文章は(あるいは表現は)力を持ちます。

それが欠落した文章は、どうしようもなく空っぽです。

だからといって、書きたいことを書きたいまま書いたところで、読まれません。読まれるために書いているのに読まれないとは皮肉なものです。

読まれるように意識して書かなければなりません。誤字脱字を直すのもその一環です。頭をひねって魅力的なタイトルを考えるのも同様です。冒頭部分に読者を惹き付ける工夫を凝らすのもそのためです。

読者を惹き付けるテクニックは、文章が対外的であればあるほど必要になります。

しかし、読まれるからという理由で書き始めると何かが歪み始めます。特に、書きたいとは思わないものを、書き始めるとその歪みは大きくなります。

書きたいことを、読まれるように書く。

———–両方から引っ張る———–

文章で表すれば、なんとも簡単なことのように思えてきます。

さいごに

もちろん、引っ張りすぎた糸は切れてしまうことを、忘れないでおきましょう。

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