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本との出会いについての断章

Posted on 2015 年 1 月 21 日2019 年 6 月 23 日 by Rashita
Tag:
  • 情報摂取の作法
  • ,
  • 読書

あまりにもまとまっていないので、思っていることを脈絡なく並べます。

本との出会い

読書好きが抱える3つの制約

という記事を書いたのだけれども、読書好きは制約と共に欲望も抱えています。その一つが「あたらしい本との出会い」です。

家には未読の本が山ほど合って、さらに再読したい本もマウンテンのようにあるのに、ついつい書店に行ってしまう。どん欲です。

もちろん、その「あたらしい本」は、イコール新刊というわけではなく、単に自分が読んだことがない本、という意味。で、その読んだことがない本も、詳しく見ると、「自分の文脈内にある本」と「自分の文脈外にある本」の二種類に分けられそうです。

前者は好きな作家の本とか自分の専門分野、後者は新しい作家の出会い、といったカテゴライズになります。

さて、本の出会いの場所なのですが、これは言い換えれば、本の情報と遭遇する場所ということです。代表例は書店ですが、そればかりではありません。それに書店にもいろいろあります。

  • 書店(大型・小型・専門店・ウェブを含む)
  • 中古書店(チェーンタイプ・小型・専門店・ウェブを含む)
  • 書評・本を紹介するメディア(ブログ・アプリを含む)
  • 他人のオススメ(読書会・ビブリオバトル含む)
  • 他人の本棚(ウェブ本棚を含む)
  • 図書館(私設・公設)・ライブラリがあるカフェなど

大ざっぱに考えると、だいたいこんな感じでしょうか。で、それぞれ少しずつ異なった性質を持っています。自分の文脈外の本とどれだけ出会えるのか、出会った本がどれだけ自分に向けて訴えかけてくるのか。そういった違いです。

ちなみに、書店はメディアである、という言葉がありますが、たぶんその文脈で言えば、他人の目に晒される本棚もまたメディアと言えそうです。最近スタートさせた「1000冊の本の紹介」なんかをやっていても、それは感じます。

さて、書店や新聞の書評記事では、基本的に「新しい本」が紹介されます。当然、それは買いやすいわけです。品切れ、ということはあるにせよ、まあ買えます。

ただ、他人の本棚で見かけた本はなかなかそうはいきません。2000年ぐらいの本でも、Amazonで検索すると中古しかない、みたいなことがありえます。34円とかで出品されていたりするわけです。つまり、在庫がない。出版社にも卸にもない。ようは、売り切り商売です。コンビニのソフトドリンクみたいですね。

でも、それは仕方がありません。こんなに出版点数が多いのだから、その全ての在庫なんて抱えられているわけがありません。金銭的はともかく物理的な限界はやっぱりあります。だから、世の中には新品で買えない本がやまほどできてくるわけです。

で、私が他の人の本棚を覗いて、面白そうだな〜と思った本をAmazonで検索して、そこに中古しかないとちょっと残念な気持ちがしてしまうわけです。そして、このSNS時代においては、「他人の本棚」に触れる機会が増えてきています。この変化は、実はかなり大きいのではないでしょうか。

別に私は中古で本を買うのが嫌なわけではありません。私は書籍平等主義者なので、新品でも中古でも紙でもデジタルでも分け隔て無く受け入れます。残念な気持ちがするのは、売り手としての視点です。

つまり、今このとき電子書籍で400~800円ぐらいで販売されていたら即座に買うという人間がここにいるにも関わらず、市場(Amazonですね)には、それがない。この感覚は、コンビニに行ったときに、人気商品が陳列されている棚がまるまる空っぽになっていて、仕方なく別の商品を買って帰るときの気持ちに似ています。簡単に言えば、機会損失です。ロングテールが形成されていないのです。

お断りしておきますが、新品が入手できないことに文句を言っているわけではありません。そうではなくて、作れたはずの売り上げが、作れていないという状況に構造的問題があるのではないか、と考えているわけです。

もちろん、この話は「なんでも電子書籍化しておけば、ロングテールが作れる」ということを意味してはいません。まったく意味してはいません。全然売れない本が1万冊集まっても、やっぱり売り上げは0なのです。ただ、一年間で一冊売れる本が一万冊集まれば、一万冊の売り上げになります。この1の差は、唖然とするほど大きいものです。

それはつまり、本の質、が問われるということです。この問題は避けては通れません。

さいごに

書いてみて、少しばかり脳内の整理はできましたが、結論みたいなものは(まだ)ありません。

とりあえず、売り手側は、(読者の)本との出会いというものを、多面的に捉えることが必要なのではないかと感じます。書店の一番良いスペース、というのはもちろん大切なわけですが、それだけもないでしょう。あと読者にも、ものすごく本好きの読者と、それほどではない読者と、ぜんぜん本好きではない読者がいます。どこに、どうリーチするのかによって、戦略みたいなものも変わってくるでしょう。

今後、消費が個人化し、個々人が専門化していくならば、「ベストセラー」的なものはどんどん生まれにくくなってくるはずです。そうした環境の中で、本との出会いをどうデザインするのかは、きっと大きな問題(及びビジネス的機会)となってくるのかもしれません。

ちなみに、「本を紹介する」ことについても書きたかったのですが、また回を改めましょう。

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