5-創作文

でんでんコンバーターにアップできるファイル(アルテさんと僕)

「今日は、でんでんコンバーターにアップできるファイルについて説明するわ」
思わず僕は「えっ」と聞き返す。
「たしか、でんでんコンバーターって、テキストファイルからEPUBファイルを生成してくれるんですよね」
「そうね」
「だったら、アップロードするファイルはテキストファイルだけじゃないんですか」
「ばかね。だったら表紙画像はどうするのよ? アスキーアートで描写する?」
「そうか、表紙は画像ファイルなんですね……」
「えらくテンションが落ち込んだわね。どうしたの?」と小首をかしげるアルテさん。
「いや、昔から美術の成績だけが悪くて。表紙の画像なんてうまく作れる気がしません」
「まあ、一応はテキストファイルだけでもEPUBファイルは作れるわ。販売目的じゃない場合は、それで十分かもしれないわね」
「販売目的なら?」
僕が尋ねると、びしっと指を突きつけてからアルテさんは言った。
「そりゃちゃんと表紙は作らないと。でないと、まったく売れないわよ。表紙は本と読者のファースト・コンタクト。お見合いに行くなら、きちんと服装を整えるでしょ。それと同じことよ」
「だったら、僕は諦めた方がいいですね……」
「あのね、そのやる前から匙を投げる性格はなんとかならないの? 今なら表紙に使える無料画像もたくさんみつかるし、そもそも自分で作らなくたって、他の人に頼むこともできる」
「でも、僕、絵の上手い知り合いとかいませんし……」
「あ〜〜も〜〜、イライラする。だったら、知り合いを作ればいいでしょ。美術部とかに潜り込んで、イラストに興味がある人と仲良くなればいいでしょ。男なんだから、長年鍛え上げたナンパテクニックを駆使しないでどうするわけ?」
いったい、どんな偏見だよ。そんなテクニック鍛えたこともないよ……。
「ともかく、表紙画像作りも視野に入れておきなさい。表紙だけじゃなくて、挿絵なんかも一緒だからね」
「なるほど」
「じゃあ、さっさと説明に戻るわ。でんでんコンバーターにはテキストファイル以外にも、いくつかの種類のファイルがアップロードできます」
「ふむふむ」
「まずはテキストファイル。これは当然ね。本文にあたるファイルです。ちなみに複数のファイルもアップ可能よ」
「複数アップするとどうなるんですか?」
「GQ! その場合は、ファイル名の順番で処理されるわ。main01.txt、main02.txt、main03.txtという三つのファイルをアップしたらこの順で表示されることになります」
ジーキュー? Good Question? まあ、いいや。
「画像ファイルも複数アップロードできます。フォーマットは、PNG、JPEG、GIFに対応しているわ。基本的なものはALL OKね。画像の使用箇所は、本文内で指定するからファイル名はなんでも構いません。でも、表紙画像に使うファイルは「cover」をにすること。つまり、≪cover.jpg≫≪cover.png≫≪cover.gif≫のどれかになります」
「なるほど」
「あとファイルの大きさは3MBまで。これは画像ファイル以外にでも言えることだけど、まあ、テキストで3MBを越えることは、ちょっと考えにくいわね。とりあえず画像ファイルの大きさには注意しましょう。解像度を大きくすると、3MBなんてあっという間に越えちゃうから」
「3MBを越えなければ何でも良いんですか?」
「GQ!」
また出た。
「一度にアップできるファイルの数は50個まで。画像をこれでもか!っと使う場合はちょっとしんどいかもしれないわね。そうでなければ、50個もあれば十分でしょう」
「ということは、詳細な解説書なんかは難しい?」
そうね、とアルテさんは頷く。どんなツールにも得手不得手があるものだ。でんでんコンバーターの説明にも<文字を中心としたコンテンツの制作に幅広く利用できます>とあるらしい。つまり、その逆は苦手ということだ。でも、当面僕の作りたい本では問題ないだろう。
「この二種類のファイル、テキストファイルと画像ファイルで基本的なEPUBは作れます。ただし、でんでんコンバーターではもう二種類ファイルのアップロードを受け付けてくれています」
「もう二つ?」
「そう。一つはCSSファイル。前に説明したわね」
「はい。脳に刻み込まれています」
「よろしい。デザインを変えるときに使えるので覚えておきましょう。ただし、アップロードできるCSSファイルは1つだけなので注意して。HTMLだと複数のCSSを当てる場合があるけれども、でんでんコンバーターではそのやり方は使えません」
「わかりました」
「最後の一つが、設定ファイル」
「設定ファイル?」
「そう。ddconv.ymlという形式のファイル」
「そんな拡張子、はじめて見ましたよ」
「まあ、そうでしょね。でも、気にしなくても平気よ。サンプルファイルが準備されているから、それにちょこちょこ手を入れるだけで使えるわ。あと、普通のテキストエディタで編集できます」
「そのファイルをアップロードするとどうなるんですか?」
「普通ではできない細かい設定が可能になるわ。逆に言うと、はじめのうちは使わなくてもいいし、デフォルトの設定で満足している場合も使わなくて大丈夫。たとえば、書誌情報として著者以外の作成者名を入れたい場合なんかに活躍してくれるわ」
「編集とか、そういうのですか」
「もちろんそれもあるし、他にも監修とか翻訳とか解説とかイラストとか、いろいろあるわね。そういう人たちの名前を本の情報に入れたい場合は、設定ファイルを使うといいわ。設定ファイルにも解説が載っているから、必要になったら読んでみること」
「わかりました。……これで全部ですか?」
「う〜んと、そうね。だいたいはこれくらいかしら。あとは、一つだけおまじないを覚えておいて」
「おまじない?」
「ええ。簡単よ。『文字コードはUTF-8』。意味はわからなくていいから、これをぶつぶつと念仏みたいに唱えておいて」
「『文字コードはUTF-8』ですね。わかりました」
「じゃあ、今日のところはこれまでとします」
「ありがとうございます」


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