以前メルマガでこんなことを書きました。
『古代から現代まで2時間で学ぶ 戦略の教室』(鈴木博毅)(note)
ふしぎと企業と戦略という言葉は、うまく噛み合います。
それはもちろん、自由市場における資本主義経済が「競争」を原理にしているからでしょう。戦争と競争は、重なる部分がたくさんあります。
「戦略」という言葉はごく日常的に使いますが、この言葉には「戦」の文字が含まれています。それはつまり争いであり、勝者を決めるゲームということです。でもって、それはゼロサムゲームを彷彿させます。そして、その先には贈与の関係性はありません。なんたって、ゼロサムゲームです。
もちろん戦略というか、プランニングは大切です。「こうきたら、ああする」とか「次の一手はこう打つ」といったことを、ぼんやりとした長期展開を見据えながら考えることは必要でしょう。で、そういう行為にフィットする言葉は今のところ「戦略」しかありません。
しかし、言葉は道具であり、道具は使う人間に影響を与えます。メタファーは、それなりに強力なのです。もう少し言えば、言葉は関係性を定義します。企業VS企業、企業VS顧客、という(旧来の)関係性の構図に思考が絡め取られてしまう__可能性もあるわけです。
もしかしたら、企業活動を戦争活動と同じように捉えている間は、決して出てこない発想があるのかもしれません。で、その発想こそがポスト資本主義の企業に求められるのかもしれません。もちろん、はっきりしたことは何も言えないわけですが。