先日シゴタノ!で、「Twine」を紹介しました。
※ブレストにも使えるゲームブック制作支援ソフトウェア「Twine」
でもって、それより前に「Wordrium」という自作ツールを公開しました。
※新感覚ブレストツール「Wordrium」
ともにブレスト系ツール__あるいはそれ用に使えるツール__なわけですが、これらを触りながら感じたことがあります。
ブレストツールにあって欲しい機能
まずもって、デジタルであろうがアナログであろうがブレスト系ツールは入力が簡単でなければいけません。新規項目の作成に2ステップやら3ステップもかかってしまうようでは失格です。
脳内はそれほど潤沢なリソースを持ち合わせていません。ぱぱっと思いついたことは、ぱぱっと入力できる必要があります。
また、作成した項目を移動させられることもポイントです。
どのような移動が可能かはツールによって違うでしょうし、それこそがツールの特徴ともなるわけですが、移動不可はブレストツールとは呼べません。
デジタル・ブレストツールにあって欲しい機能
それらの最低限の条件を踏まえた上で、デジタルツールならではの特徴__言い換えれば、アナログツールでは実現しにくい機能を考えてみると、一つは「ビュースタイルの変更」があります。
「Twine」では、全体を俯瞰するビューと、一つ一つのアイデアをスライドで表示させるビューがありました。また、iPadの「Idea Sketch」は(疑似)マインドマップツールではありますが、アウトラインモードがあって、それぞれの表示を切り替えられます。
こうした切り替えは、アナログツールではほぼ無理です。しかし、デジタルツールならなんてことはありません。そして、視点を切り替えることによって、見えてくるもの・連想されるものに違いが生じることも確かです。
このあたりの追求が、デジタルならではのブレストツールの特徴になっていくのではないでしょうか。
もう一点、「Wordrium」を作りながら考えたことですが、「動き」の要素と呼びうるものもデジタル・ブレストツールの特徴と言えそうです。特に、ランダムな「動き」の要素。
「Wordrium」は、それをストレートに表現していますが、他にも方法はあります。
たとえば、ブレスト中にまったく関係ない言葉が画面に表示されるというのも「動き」です。Twitterのトレンドワードからひっぱってきたら面白いですね。あるいは、自分の過去のEvernoteからでも楽しそうです。
また、「それはどうしてか?」「なぜそうなっているのか?」「実現を妨げるものは?」「逆の立場だったら求めるものは?」といった、思考を刺激するクエスチョンを定期的に表示させることも可能です。表示の方法も、一瞬だけちらっと表示させたり、あるいは昔懐かしいJavaScript風に右から左にクエスチョンが流れていくスタイルもできるでしょう。
「動き」についてはアナログツールでも可能な部分はありますが、他のツールとの自動的な連携や、膨大なクエスチョンの管理、あるいは共有といったことはデジタルツール向きです。
さいごに
こういうことを考えていくと、これまで「一人ブレストに使えるツール」は存在していたものの、「一人ブレストのためのツール」という特化型のデジタルツールはあまりなかったのではないか、という気がしてきました。
- 項目が即座に入力できる
- 作成した項目を後から移動可能
- ビューの変更可能
- 外部的な「動き」が入る
こういうのを兼ね備えたブレストツールを作ってみたいですね。