6-エッセイ

評価を与えること

二つの場合に分けてみよう。

一つは、評価がまだ定まっていない場合。もう一つは、評価がすでに定まっている場合だ。

前者はシンプルだ。評価の与え方は、二つに絞られる。

  • 評価が定まっていないものにプラスの評価を与える
  • 評価が定まっていないものにマイナスの評価を与える

プラスの方にはリスクがあり、マイナスの方にはそれがあまりない。

評価が定まっていないもの(=あたらしいもの)は、常に失敗する可能性を秘めている。あたらしいことが10あれば、そのうち9ぐらいはうまくいかない。だから、マイナスの評価を与えておけば、9割打者である。

でもそれは、結局のところ何も言っていないに等しい。ほとんど普遍的な記述をしているだけだ。

すでに定まっている場合

後者を考えよう。こちらは、合計4つのパターンが想定できる。

  1. プラスの評価が定まっているものに、プラスの評価を与える
  2. プラスの評価が定まっているものに、マイナスの評価を与える
  3. マイナスの評価が定まっているものに、プラスの評価を与える
  4. マイナスの評価が定まっているものに、マイナスの評価を与える

まず、1と4は何も言っていないに等しい。

2は、いわゆる逆張りと言われる方法だ。人気があるものを批判しておけば、その人気があるものを気にくわない人に好まれる。仮に人気が失墜したら予言者の登場である。万物は流転することを考えれば、どこかで変化は生まれるだろうから、「これはダメになる」と言い続けていれば、どこかでヒットが(あるいはホームランが)生まれることになる。

もちろん、そうしたポジショニングとはまったく異なる、シンプルな「プラスの評価が定まっているものに、マイナスの評価を与える」という行為もある。ピュアな批判だ。

が、これは姿勢の話であり、継続的な視点の問題である。常に、「プラスの評価が定まっているものに、マイナスの評価を与える」のは、批判者とは言えないだろう。

3は難しい。あたらしい価値の発見者かもしれないし、ドンキホーテかもしれない。また、マイナスの評価がされているがゆえに、プラスの評価を与えるという天の邪鬼な存在もいる。見極めは難しい。あと、詐欺師もここに混じっている。

さいごに

言うまでもなく、上の分類は話を圧倒的に単純化している。

ほんの少しだけ複雑さを取り入れれば、こんなパターンもありうる。

  • プラスの評価が定まっているものに、それまでとは違ったプラスの評価を与える

面白いレビューや評論はこんな感覚ではないだろうか。個人的に目指したいところでもある。

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