(WorkFlowy企画:第七回:かき混ぜることから生まれるもの)
脳のオーガナイズ
これまでWorkFlowyの特徴を紹介してきた。簡単にまとめてみよう。
- クラウドなので、「いつでも」使える
- テキストのみだが、その分動作が軽快
- 要素の組み替えが可能なので流動的なものを受け止められる
- ズーム機能により「今何を考えているか」の縮尺を変更できる
こうした特徴により、WorkFlowyは脳のオーガナイズに用いることができる。
素晴らしいことなのだが、反面問題もある。それはわかりにくいことだ。明示的に「こう使えばいいですよ」と示すことができない。
それは流動的なものをテンプレートといった固定的な形式で表現することの限界でもあるし、そもそもあなたの脳について知っているのはあなた自身であるから、ということでもある。
有用な使い方の「例」はいくらでもあげられるが、それを使ったときにあなたの脳がフィット感を覚えるかどうかまではわからない。それはやってみるしかない。そして、違和感を感じるならば、よりそれが小さい形を自分で模索するしかない。
そういう前提を共有しておこう。
その上で、私が使っていて「うむ、これはなかなか良いものだ」と感じるのは、第一に本のアウトラインを考えているときだ。さすがにこの作業はEvernoteでは辛い。要素を書き出し、その配置を換えていきながら、適切な順番を見出すこと。そうした思考のプロセス(俗に言う「考える」という行為)を行うとき、WorkFlowyはフィットする。
第二に面白い発見だったのが、Evernoteの構造の「仮組み」をすることだ。
Evernoteも自分の使い方に合わせて構造を変えていける新時代の知的生産ツールではあるが、ノートブックを新しく作ったり、ノートを移動させることは、少なくともアウトライナーよりは手間がかかる。すると、プロトタイピング・プロセス(ためしに作って、徐々に改良)が進めにくい。
そこで、これからEvernoteで作ろうと思っている構造をまずWorkFlowy上で作り上げ、それを運用してみるのだ。もちろん、画像が使えないとか、外部から送信できるinboxが存在しないだとか、違いはいろいろある。しかし、「どういう情報」を「どのように振り分けれ」ば自分の中でしっくりくるのかの確認はできる。
使っているうちに、あたらしいカテゴリー(ノートブック)を思いつくかもしれないし、使ってみたら不必要だったことがわかるカテゴリーもある。そうやって、徐々にフィット感を高めていって、落ち着いたら「じゃあ、Evernoteでやってみましょう」とデプロイするわけである。
こういうやり方はなかなか面白く、あたらしい。
さいごに
今回の連載では、観念的なことを集中的に扱い、具体的な「使い方」についてはほとんど触れなかった。その辺りは、第二回の連載があれば展開していこう。
操作方法については、ブログ「単純作業に心を込めて」さんの、
をご覧になると良いだろう。かなり詳しい説明が繰り広げられている。
また、アウトライナーというツールのコンセプトについては度々登場しているが、以下の本が参考文献だ。
アウトライン・プロセッシング入門: アウトライナーで文章を書き、考える技術 |
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Tak.
2015-05-07 |
WorkFlowyは、面白いツールである。カテゴライズすればアウトライナーなわけだが、このツールが志向しているのは、実際の所それよりももう少し広いレイヤーである。使い込んでいけば、そのことは徐々に体に染み込んで理解されるだろう。
おそらくではあるが、WorkFlowyのAPIが公開されたら「使い方」のバリエーションはさらに広がる。IFTTTなんかに対応すると、もう手が付けられなくなるに違いない。そういう展開を待ち望んでいるところである。
では、また機会があれば第二回の連載で。
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