断片からの創造

ジグソーパズルのピース

ぶらぶらと歩いていると、キラリと光るものが地面に落ちていました。

硬貨かと思って視点を向けてみると、奇妙な形をした、奇妙な物質が転がっています。石ころほどの小さな物質ですが、組成はよくわかりません。金属のようにも見えますし、繊維のようにも見えます。ただ、その形状だけは、近いものを知っていました。ジグソーパズルです。ジグソーパズルのピースが、ぽつんと地面に転がっているのです。

それを拾い上げ、空に掲げてみます。ひっくり返し、回し、再びひっくり返します。押し込んでみたり、引っ張ったりしてみます。そして、表面に描かれた模様をじっくり眺めます。

空かもしれません。湖や海かもしれません。あるいは、空が映り込んでいる海かもしれません。具体的に特定することは、どうやら難しそうです。何しろ一つしかピースがないのです。

ただしそれは、ビルでないことはわかります。アマゾンの奥地でないこともわかります。白鳥でもなければ、ゾウでもなさそうです。特定はできないにせよ、「おそらく、こういうものであろう」という感触は持てました。今のところはそれで十分でしょう。

とりあえず、そのピースをポケットにしまい込み、歩みを再開します。もしかしたら、別のピースが落ちているかもしれません。それがヒントになって、全体の絵柄がわかるかもしれません。散歩が楽しくなってきました。


アイデアを思いつく、というのは、だいたいこういう感じです。

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