7-本の紹介

【書評】バーナード嬢曰く。1-2(施川 ユウキ)

人は本なり、本は人なり。

バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)
バーナード嬢曰く。 (REXコミックス) 施川 ユウキ

一迅社 2013-04-19
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本作は懸命に読書家ぶろうとする町田さわ子と、それを取り巻く読書好きなキャラクターによって繰り広げられるギャク漫画である。現在発売されているのは二巻まで。

タイトルにある「バーナード嬢」とは、むろんバーナード・ショーから来ている。名言が多いアイルランドの文学者・劇作家だ。主人公的立ち位置である町田さわ子は、その名言家を名をもじって「バーナード嬢」と自分を呼ぶように周囲に要請しているが、その願いは叶えられていない。

タイトルに「曰く」とあるように、当初は本の中にある名言を扱う作風だったのだが、徐々に本の内容そのもの、あるいは読書についてへと話題は拡がっていく。多くのギャクは、読書好きにとっての「あるある」ネタである。それはそれで面白いのだが、それだけではない機微が本作に奥行きを与えている。


本作は「読書家ぶろうとする人」を笑う作品である。たしかにろくに読んでもいない本を、あたかも読んだかのように振る舞うのは滑稽である。また、読書をステータスアップのための行為のように捉えてしまうのもどこか可笑しい。

しかし、ことはそんなに単純なものだろうか。

本作は「マニアな読書家」をも笑っている。表現を拝借すれば「めんどくさい」人たちも笑いの対象なのだ。そうした人たちだって、いろいろ複雑な気持ちで本を選び、本を買い、本を読んでいる。崇高な気持ちばかりではない。そのもやもやとした気持ちは、SF作品好きの神林しおりが見事に代弁してくれる。きっと彼女に感情移入する読者は多いだろう。

結局のところ、ともに人間なのだ。そこには不完全さがあり、そして情熱がある。だからこそ、読書はいつまでたっても面白いのだ。


私好みのSF作品の紹介が多いせいか、本作を読んでいると、すさまじく本が読みたくなる。なかなか不思議な感覚だ。でもやはり、情熱を込めて行われる紹介には人を動かす力があるのだろう。なにせ、人は本なり、本は人なり、なのだから。

バーナード嬢曰く。: 2 (REXコミックス)
バーナード嬢曰く。: 2 (REXコミックス) 施川 ユウキ

一迅社 2015-07-27
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