0-知的生産の技術 断片からの創造

マンダラートと三極発想法 その1

シゴタノ!で以下の記事を書きました。

『三極発想法』で「知的生産の技術」の体系化にトライしてみた | シゴタノ!

まったくの手探りで、この『三極発想法』にチャレンジしたわけですが、なかなか効果的な発想法であることは確認できました。

今回はこの技法とマンダラートと比較しながら、何か得るものがないかを探してみます。

IMG_5858

二つの技法

最初にマンダラートから。

IMG_5860

3×3のマス目を使った発想技法・思考技法です。中心にテーマを据え、周辺に連想したもの、あるいはテーマに対する答えなどを書き込んでいきます。一見シンプルな手法ですが、複数のマンダラを用いて発想を展開していったり、あるいはマス目に役割を与えることで思考に枠組み(構造)を設定できるなど、奥深い技法となっています。

でもって、三極発想法。

IMG_5859

中心にテーマを据えるところは同じで、周囲に関連する要素をほうり込んでいくところも同じです。

こうしてみると、ほとんど同じではないか、という気がしてきます。考えてみましょう。

マス数

まず、まっさきに違う点としてあげられるのが、マス目の数です。マンダラートは9マス、三極発想法は10マスあります。

もちろん、「たかが1マスじゃないか」という反論もあり得るでしょう。しかし、9と10には大きな違いがあります。9という数字は、認知心理学における「マジカルナンバー」の範疇(7±2)にギリギリ入ります。人間が一度に近くできる情報の最大数に収まっているのです。

しかし、10マスであれば、その上限を越えています。その意味で、三極発想法は全体を一瞬で捉えるのが難しいのです。それは両方の図を見比べてみれば、体感できるでしょう。ただし、三極発想法も捉え方によっては全体像の把握も可能となります。チャンクを用いるのです。

1つのマスを情報のかたまりだと捉えれば、10マスになりますが、それを三つの要素にまとめればマジカルナンバーに収まります。すなわち、中心、頂点、外周の3つです。そして、ここに構造化の手がかりがあります。

ちなみに、マンダラートにおいても、中心、中心と接する十字のマス、四隅のマス、と3つの要素に分解できます。この点については両者は共通していると言えるでしょう。

ともかく、マス目の数に関して言えば、マンダラートはそのままで全体を一瞬で把握できるが、三極発想法ではチャンクを用いないと難しい、という点があげられます。

リンク数

一つのマスが、接するマスの数はどうでしょうか。

マンダラートでは、中心のマスは一応他の8つのマスに接しています。しかし、接し方の度合いには差があります。十字のマスとは線を共有していますが、四隅のマスとは点のみの共有です。

同じように十字のマスは、3つのマスと線を共有し、2つのマスと点を共有。さらに、四隅のマスは二つのマスと線を共有し、たった1つのマスとのみ点を共有しています。

中心マス:線4つ・点4つ
十字マス:線3つ・点2つ
四隅マス:線2つ:点1つ

では、三極発想法ではどうでしょうか。

中心のマスは、外周マス全てとつながっています。その数は6。そして、頂点のマスとはまったく接していません。あくまで間接的な線のつながりがあるだけです。

外周マスはというと、つながっているのは5つマスで、中心1・外周2・頂点2となっています。頂点マスは、外周3マスとしかつながっていません。

中心マス:外周6つ
外周マス:中心1つ・外周2つ・頂点2つ
頂点マス:外周3つ

マス目の役割でみるならば、両技法における中心マスはまったく同じポジションにいます。これはもう自明でしょう。

また、他のマスとのつながり方を考慮すると、マンダラートにおける四隅マスと三極発想法における頂点マスも似たポジションと言えるかもしれません。

マンダラートの四隅マスは、中心マスと点しか共有していません。つながってはいるのですが、そのつながりかたは十字マスよりも小さいものです。移動の矢印を使うならば、中心からまず十字マスにいったん移動し、その後四隅マスに移動する、という2ステップを踏むことになります。それは三極発想法の、一度外周マスを経てから頂点マスにたどり着くのと同じ構造と言えるでしょう。

ちなみに、これはマンダラートのごく一部の使い方に限定した話でしかありません。マンダラートは、もっとフレキシブルな発想技法なので、「中心マス以外は皆均等」という使い方もあります(というかそれが一般的かもしれません)。しかし、そうした使い方であれば、三極発想法とはまったく違う技法となってしまうため、ここではあえてマンダラートの限定的な使い方にフォーカスして話を進めていきます。

という点を確認した上で話を戻すと、四隅マスが頂点マスに対応するのであれば、十字マスが外周マスに対応することになります。中心と四隅(あるいは外周)の共に接するマスです。おそらくテーマに関する具体的な話はここに結実するのでしょう。

外周マスへの制約

三極発想法の外周マスに注目してみます。

外周マスは、中心マスとつながり、また他の2つの外周マスおよび2つの頂点マスともつながっています。別の言い方をすれば、ある外周マスに書き込まれる何かは、他の5つのマスに「直接」影響を受けるのです。そして、その影響には階層があります。頂点は上位概念、他の外周は同位概念です。

これは実際かなり複雑で、私が自分でやったときも相当に悩みました。

マンダラートでは、十字マスはつながっている他のマスから影響を受けます。中心1マスと、接する四隅の2マスです。これで合計3マスですが、実は自分とは逆に位置する十字マスからも制約を受けるので、トータルは4マスとなります。つまり、三極発想法に比べると1マスだけ直接的に制約を与えるマスが少ないのです。

これが何を意味するのかは、まだ私にはわかりません。

一つ言えることは、三極発想法の方が構造的に(やや)固いということは言えそうな気がします。良し悪しは別として。

さいごに

これまではマンダラートは、マインドマップと対比して語られてきました。制約を使った発想法と自由連想を促す発想法の対比です。

それはそれで面白いのですが、マンダラートのマンダラートらしさは、むしろマンダラートと所属を同じくする制約を使った発想法と対比することでよりいっそう明らかになるのではないか、という気もしています。逆にそのことから、三極発想法の面白さみたいなものも見えてくるでしょう。

今のところ参考文献もなにもない状態で、ただ「やってみた感想」のレベルではありますが、しばらくこの二つの発想技法については考えてみたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です