6-エッセイ

友と磁石

類は友を呼ぶ。
S極とN極は引かれ合う。

一見、相反する話である。どう納得すればよいのだろうか。

一つには、「呼ぶ」と「引かれ合う」の違いに注目してみることだ。

類は友を呼ぶが、それは「呼ぶ」だけであって、引かれ合うところまでいかない。私たちは自分と近しい人たちと友達になるが、人生においてパートナーと呼べる人、あるいは親友と呼べる人は、相反するような性質を持つ人である。そんな解釈もできるだろう。

あるいは別の見方もある。

S極もN極も言ってみれば、磁石という点では共通している。つまり友なのだ。だから、二つの文は全然矛盾していないとも捉えられる。


実際のところ、どうなのだろうか。

私たちはたしかに近しい人と友になる。Twitterなどでは「クラスタ」と呼ばれているグルーピングだ。

そして、コンビを組んでうまくいくのは、性質が反対な人だ。細かい人とおおらかな人。勘定に強い人と、感情に強い人。そんな組み合わせである。

ポイントは「反対」という部分だろう。それらは向いている方向は逆かもしれないが、レイヤーは同一である。ここが肝心だ。

何もかもがまったく違う人同士だと、協調が取れない。言葉が通じない。

そうではなく、ある種の共通項があったり、価値観を共有していてなお、向かう方向が異なること。働かせうる力が違うこと。そうしたものが集まったとき、これまでになかった力が生まれる。

タコツボでも、船頭の多い船でもない。あたらしい何か。

そうしたもののデザインが大切である。

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