Sharing is Power!

ツイート適者生存

伝播力というものについて考えてみます。

たとえば、Twitterに映画の感想がつぶやかれたとしましょう。

「○○見た」
「○○ガチで面白い。これは見るべき」
「主人公が落ちてくる隕石を腕力だけで押し返したシーンは映画史に残る」

おそらくそれぞれのツイートは伝播力が違っているでしょう。簡単に言えば、リツイートされる可能性に大小があるわけです。

さてここで、クラスタというものを考えてみます。SNSにおける「クラスタ」とは、興味軸を同じくする緩やかなつながりを指し、たいていの人は複数のクラスタを持っています。私なら、読書・Evernote・ゲーム、といったものです。で、SNSでのつながりは、このクラスタが軸となっています。

仮にXという人のクラスタを、A、B、Cとしてみましょう。そのXさんとつながっているYさんは、B、D、Fというクラスタに属しています。言い換えれば、Bという興味軸でXさんとYさんはつながっているわけです。

X A・B・C
Y B・D・E

もちろん、Yさんも他の誰かとつながっています。たとえばZさんです。Zさんは、Dという興味軸でYさんとつながり、他にF・Gというクラスタに属しています。

X A・B・C
Y B・D・E
Z D・F・G

XさんとZさんは、直接はつながっていませんが、Yさんを媒介することにより間接的につながっています。面白いことに、XさんとZさんは、共有するクラスタが一切ありません。それでも、(間接的にであれ)つながっているというのがSNS的面白さです。こうしたつながりを、たとえば身内の近さを表す「一親等・二親等」の尺度を借りて、X→Y(一紐等)、X→Z(二紐等)みたいな呼び方をすることもできそうですが、脱線になるのでここでは割愛しましょう。

もちろん、この3人の構図はもっと拡大していけますし、人が属するクラスタも3つでは済まないでしょう。あくまで思考実験を進めるモデルだと思ってください。

さて、ここで伝播力に戻ります。

仮にZさんが、自分が見たDに関する映画についてつぶやいたとしましょう。そのつぶやきの内容は、Yさんの関心軸と近いので、比較的簡単にリツイートされます。ツイートそのものの伝播力が弱くても構いません。

では、ZさんがGに関する映画についてつぶやいたらどうでしょうか。Yさんは、自分の関心外なので、そのつぶやきのリツイートはしないでしょう__つぶやきの伝播力が弱ければ、ということですが。逆に、人の心のツボを押すようなツイートであれば、Yさんもうっかりリツイートしてしまうかもしれません。そうすると、Zさんの発した情報がXさんに届くことになります。

さらにその伝播力が十分に強いものであればXさんもリツイートし、Zさんから見た、三紐等や四紐等にまで届く可能性が出てきます。

これはどういうことでしょうか。たぶん、こういう言い方ができそうです。

「リツイートされて自分のところに回ってくる、クラスタ外の情報は強い伝播力を持っている」

つまりは、面白そうなつぶやき、魅力的なつぶやき、興味をかき立てるつぶやきばかりが集まってくる、ということです。

自分が観測しているクラスタ内の情報であれば、そうしたことはありません。メッセージ的に弱いつぶやきでも比較的情報は伝播してきます。しかし、まったく観測外からやってきたツイートは、適者生存の競争を生き延びたツイート界の強者なのです。言い換えれば、読んだ人に影響を与えるツイートなのです。

このような環境は、「隣の芝生は青い」の感覚を加速させてしまう危険性があります。あるいは、「あれも、これも」的興味の拡散を起こしてしまう可能性もあります。

だからTwitterを使うのはやめようぜ、ということではなく、クラスタ外からの情報はちょっと割り引いて見た方がいいかもしれないね、ぐらいの話で今日のところほ落ち着けておきましょう。

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