Evernoteのメモ操作にまつわる問題

次のエントリでは、重要な問題が指摘されています。

なぜ、WorkFlowyにメモをするのか? | 単純作業に心を込めて

この立場からすれば、WorkFlowyにメモをとることの意義が明らかになります。WorkFlowyに書いたメモは、Evernoteに書いたメモよりも、知的生産のフローをスムーズに流れていく傾向にあります。Evernoteに書いたメモはノートに格納され、ノートごとに分断されがちであるのに対して、WorkFlowyに書いたメモはトピックに格納され、トピックに乗って、WorkFlowyのアウトライン全体の中を、自由自在に動き回るからです。

メモの扱いにおける二つのツールが対比されています。片方がEvernoteで、もう片方がWorkFlowyです。

上記の記事では、主眼がWorkFlowyに置かれていますので、ここではEvernoteを主眼として同じ問題に向き合ってみましょう。なんといっても、Evernoteアンバサダーですからね。

出口に必要なもの

基本的な問題提起はこうです。

「Evenroteはメモの入り口としては素晴らしい。でも出口としてはどうなの?」

この問題は、知的生産においては非常に重要な意味を持っています。なんといっても知的生産は何かを生み出すことであり、それはつまり「出口」に向かう行為だからです。これを欠かすことはできません。

ということで、上の引用をもう一度注目してみます。

Evernoteに書いたメモはノートに格納され、ノートごとに分断されがちであるのに対して、WorkFlowyに書いたメモはトピックに格納され、トピックに乗って、WorkFlowyのアウトライン全体の中を、自由自在に動き回るからです。

  • Evernoteは、メモがノートごと保存され、結果として分断されがち
  • WorkFlowyは、メモがトピックに保存され、そのトピックに乗って自由に移動させられる

だとすれば、考点は「Evernoteのノートが自由に動くためには?」となるでしょう。もし、それが可能であれば、Evernoteにおいてもメモの「出口」確保はできるはずです。

動かす手間

現状のEvernoteを考えてみると、ノートはある程度までなら自由に動かすことができます。ただし、限定がないわけではありません。むしろ、WorkFlowyに比べると非常に制約が大きい言えるでしょう。

Evernoteで「自由にノートを動かせる」感覚があるのは、「ノートブック間のノートの移動」だけです。これは実に素晴らしいもので、いかにもデジタルでメモを操作している気分に浸れます。

しかし、それ以外はどうでしょうか。

たとえば、inboxに入ってきた一行だけの着想メモがあったとします。仮にその着想を活かすノートブックがあるならば、そこに移動すれば万事OKです。しかし、そうではなく、たとえば別のノートブックの中にある、別のノートに追記したければどうでしょうか。

こうなると、いささか面倒が生じます。

方法は二つあるでしょうか。まず、着想メモノートの中身をクリップボードにコピーし、ノートブックを移動してから、目的のノートを見つけ、そこにペーストする方法。もう一つは、着想メモノートを別のノートブックに移動した後、目的のノートとマージしてしまう方法。

どちらも手軽な方法とは言えません。それにどちらの方法でも、一度はノートブックの移動が発生しています。これがなかなか面倒なのです。

逆に言えば、この面倒さが軽減できるなら、Evernoteにおけるメモ活用も、もう一段の飛躍が望めそうです。

(ちなみに、inboxシステムを導入していると、「別々のノートブックに入っているノートをマージしたい!」という気持ちが湧き上がることをここでこっそり述べておきます)

見た目と操作

もう一点、「ノートの分断」の感覚は、UIの問題も絡んでいるのではないかと思います。

以下の画面は、Evernoteの「サマリービュー」です。左にノートのリスト、右にノートの内容が表示されています。

screenshot

これはこれで、悪くないのですが、たとえば、このような形ならばどうでしょうか。

screenshot
※画面は合成です。

右のノート表示が少し変わってみます。こちらもノートのリストのようですが、それぞれのノートに直接書き込みを加えることができます。つまり、「ノートの分断」の感覚を生み出しているものの一つは、「あるノートに書き込みしているときは、別のノートに書き込むことができない」という要素なのではないか、ということです。

あるいはこんな大がかりなUIの変更を行わずとも、ノートエディタ状態から、ショートカットキー一発で、「次のノート」(ノートリスト上で下に位置するノート)に移動できるなら、もう少し移動の感覚が生まれてくるかもしれません。
※現状では複数のショートカットキーを駆使する必要がある。

さいごに

ある程度手間をかければEvernoteだって、ノートを自由に移動させることができます。しかし、その手間はできれば少ない方が良いことも確かです。その点において、WorkFlowyは圧倒的です。

だから、私を含む多くの人がこう思うのでしょう。EvernoteにWorkFlowyのような機能が内包されたら……と。

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