断片。
断片の何が悪いのだろうか。
所詮全ては断片である。全ては断片からできている。
世界を眺めればいい。そこではすべてが断片から成りなっている。
断片には連続性がない。断片には継続性がない。
断片には統一性がない。断片には整合性がない。
断片だけならばなんとでも言える。どのような不合理もそこでは成立する。
断片は自由に動き回る。それこそ原子のように。
断片は自由だ。だからこそ、危うい。
宇宙空間に漂うちっぽけな一人の人間のように。
断片は、結局断片ではいられない。
断片は集められる。しごく恣意的に集められる。
もともとのコンテキストははぎ取られ、全体から切り刻まれた断片。
それが新しいコンテキストの元に集められる。
それはもう、元のものとはまったく関係ない。
世界は断片で出来ている。
しかし、世界はコンテキストで覆われている。
両方に注目することだ。
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