「おそ松さん」をぼけーっと見ながら、なんかこのアニメ好きなんだよな〜、なんだろと考えていました。
いろいろ考えたあげく、たぶん突然作風無視でぶち込んでくる脈絡のない展開が、「っぽい」のだと思い至りました。何っぽいかというと、R-styleっぽいのです。
当ブログは明確なテーマを定めてはいませんし、文体もてんでバラバラです。敬体の文章もあれば、常体の文章もあります。ガチな記事もあれば、ジョークな記事もあります。ときどき、よくわからない突飛な記事も出てきます。
ある記事と別の記事を見比べてみた場合、「これって本当に同じ人が書いているの?」と疑問が湧いてくることすら珍しいことではないでしょう。
でも、そうしたもの全体が「R-style」です。あるいはR-styleっぽいのです。つまり、一つの記事に宿る個性というよりは、それらを統合して生まれるブログ全体の個性、というのがR-styleのスタイルなわけです。
ブログの「声」はどこへ導く
さて、以下の記事では、ブログの「声」に至る道が非常に分析的に書かれています。
ブログに個性的な「声」を生み出す5つのスタートポイント(ライフ×メモ)
5つのポイントは実際に記事を読んでもらうとして、次の文章が目にとまりました。
でもこれだけはいえるのは、誰が書いたのかを主張しない、多少は荒削りでも個性が備わった文体でない限り、読んでいて印象は弱くなるという点です。メディアで執筆する際、書籍を書く場合には中性的な文体を選ぶ技術も必要になりますが、個人で書く場所ならば逆もまた真なりなのです。
「読んでいて印象は弱くなる」の、印象とは何についての印象でしょうか。文脈から言って、文章の内容ではないでしょう。おそらくは、書き手についての印象なはずです。あるいは、メディア(ブログそのもの)についての印象かもしれません。
ありますよね。アプリとかの紹介記事で。
内容はまあわかった。でも、次の日になったらどこでその記事を読んだのかまったく思い出せないような記事が。おそらく「人気の」テンプレートを使い、「効率的な」な文章の書き方やアドセンスの貼り方がしてあるのでしょう。学校に行くときに、制服を着るようなものですね。
かといって、「そうか、誰が書いたのか主張しないといけないのか。だったら冒頭に自分の名前を……」とやっても、事態はあまりかわりません。その手法も多くの人がやっていますし、人間は自分の知らない名前など読み流すからです(自分で記事を読むときを振り返ってみてください)。
他者からの承認に対して、手軽に効果があるのはアイコンくらいです。特に≪顔≫が入ったアイコンは強力です(※)。でも、それ以外では、有用だと認識されている方法は、むしろ個性をそぎ落とす(あるいは育む場を狭める)ことになりかねません。
※残念ながらR-styleにはありませんが。
個性的な文章を支えるもの
「誰が書いたのかを主張する」コンテンツというのは、読んだら「ああ、あの人が書いたんだな」と分かるようなコンテンツということです。
これまた、ありますよね。
「後で読む」系のツールに記事を入れても__つまりブログのデザインをはぎ取っても__「あの人が書いた」感のある記事が。そういうのを人は個性と呼びます。これは認知を生むための一歩であり、そこでは話題や文体の選択が効いてきます。
となると、
「じゃあ、どんな文体にすればいいですか?」
という疑問が湧いてくるかもしれません。だとしたら私は、
「じゃあ、あなたはどんな人なんですか?」
と聞き返すだけです。
「これを効果的に伝えるにはどうしたらいいんだろう?」
という問いに取り組む姿勢。その格闘の跡こそが、個性の源です。文体はその結果として生じているに過ぎません。もう一度書きますよ。「どんな風にすればいいのか?」という問いに取り組む姿勢が個性の源です。その問いを回避し続けている限り、感触のある個性は生まれてきようもありません。
個性のその次
個性を持って、認知してもらえるようになる。それは最初の一歩にすぎません。
そこから、「この人は誰なんだろう?」という疑問を呼び込めるようになることが、次なる一歩です。
「この人はどんなことを考えているんだろう」
「あの事件についてこの人はどういう考えを持っているのだろう」
「この人が他に読んでいる本はどんな本だろう」
「この人と一緒に仕事をしたら、どんな風になるだろう」
みたいなことになれば、読み手との関係性は高まっていきます。たぶん、「この人が書いた別の文章も読んでみたい」なんてことも思ってもらえるかもしれません。
もちろん、そんなものを目指さなく立って大丈夫です。「価値とは見出されるもの」なので、目指さなくても他の人が勝手に思うだけですから。でも、情報の出し方における効果を判定する一要素にはなるかもしれません。
さいごに
「一応役には立つが、書き手(ブログ)のことは気に留まらない」という記事は、一見そのブログの中に位置しているようで、実は「Google」というサイトの一ページになっています。
もちろん、それでも良いという考えもあるでしょう。
私は、絶対に嫌ですが。
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