背を押さず、ただ前を歩く

一応、今のところ私はフリーランスです。以前は、(いささか危ういものの)月給をもらっていたので会社員でしたし、その前はフリーターをやっていました。まあ、いろいろ動いております。


なんとなくの感想ですが、世の中のフリーランサーというものは、「よし、俺は2年後にフリーランサーになる!」と粛々と準備を進めてなるものではなく、仕方なしにとか、やむにやまれぬとか、当面はとか、何かそういう動機でなるものではないのかな、という印象があります。


フリーランスになってからは、やっぱり会社員時代に身につけた力が役に立ちます。当たり前ですよね。仕事は仕事です。経理・財務処理などの仕事が増えるだけで、「仕事」そのものが何か異質なもの__椅子に座ってタバコをふかしていたらお金が転がり込んでくる__に変わるわけではありませんから。


いろいろな要素を加味して考えれば、毎月給料がもらえる職場で働き続けるのが、とりあえずは安定です。それが続けられる環境にいるならば、続けていきたいと思うのが人間の心情でしょう。逆に言えば、続けられない理由があるから職場から離脱し、別の職場に行くことなく、一人で仕事をやり始めるわけです。「仕方なしに」というのは、つまりはそういうことです。


会社で、自分のタスクを管理したり、複数人のプロジェクトを管理したりする力があれば、当然フリーランスでもその力は役に立ちます。特に、フリーランサーは、自分の体と時間が資本ですので、そのコントロール力は業績に直結します。死活問題と言い換えてもいいでしょう。そういうのがまったくないと、武器屋にいっさい立ち寄らず、ダンジョンに潜入するようなものです。


変化が大きくなる時代では、人の仕事は移ろいやすくなります。職場を変えるだけでなく、唐突にフリーランスになってしまうことだってあるでしょう。今は、ごく一部の話かもしれませんが、徐々に「当たり前」になってくるはずです。


以下の記事に、私宛のこんな質問がありました。

iki0204|イベント『 #らしたさんを囲む会 』の告知(宣伝・営業)を、やってみた……、が。(いっきの質問リスト付き) | イキブロ

「なぜ、ビジネスマンを大きなターゲットとして、作品を作り続けているのですか?」

答え方は3つあります。そのどれもが理由を構成しています。

その1.「ビジネスパーソン向け」という市場があるから。

一番、実際的な答えがこれでしょう。「企画案」的にビジネスマン(ビジネスパーソンとしておきましょうか)向けの企画案は成立しやすいものです。書店にも≪ビジネス書≫のコーナーはもはや当たり前になりました。売り物として考えた場合、市場を意識することは大切です。

その2.私が届けたいと思っている人の中にビジネスパーソンが含まれている。

私は、私と似た傾向を持つ人に情報を届けたいと思っています。というか、それ以外のことなんてたぶん無理です。そうした人たちは、性格的傾向や価値感に基づいて選り分けられるわけで、仕事は基準に入っていません。逆に言えば、どのような仕事の人でも対象になり得る、ということです。

人口構成的に、ビジネスパーソンな人は結構多いでしょうから、そういう人たちが読むというのは当然想定してしかるべきでしょう。

その3.誰だってフリーランサーになるかも

私は物書きです。で、読み手の想定がビジネスパーソン。いただいた質問は、このズレについての指摘なのでしょうが、今ビジネスパーソンをやっている人だって、将来どうなるかはわかりません。なにせ人生は何が起こるのかわからないのですから。いろいろな力を身につけておくことは、どんな環境においても有用です。


基本的に私は楽しく仕事をしていますが、かといって「毎日ラクでラクで仕方がない」というわけでもありません。苦労も多いですし、白髪も増えた気がします。仕事の量と通帳の残高は、胃にダメージを与える震源地です。

だから、「さあ、みんなも自由で楽しいフリーランスの世界へ!」みたいなことは口が裂けても言えません。そういうのは、そういうのを口にするのが仕事な人が言うだけです。

でもまあ、フリーランスという体験はなかなか面白いものがありますし、もちろんここでしか学べないようなこともあるでしょう。それに、いざとなればフリーランスでも、という逃げ道を持っておくのも悪くはありません。

というわけで、「さあ、みんなも自由で楽しいフリーランスの世界へ!」と相手の状況も踏まえないまま、誰かの背中を押すのではなく(相手が崖っぷちに立っていたら大変なことです)、いろいろ情報を提示しておいて、誰かが「仕方なし」にフリーランスになったとき、「そういえば、あの情報役に立ちそうだ」とか「前もって身につけておいた助かった」みたいな手助けができればいいなと思いながら、日々の活動を続けております。

まあ、そんなにたいそうなものではありませんが。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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