BlogArts

ブログの同時性と後から見る人

ブログというのは面白いもので、複数のブログで似通った話題がばばーっと盛り上がることがある。

もちろんテーマや切り口はブログによって異なる。だからこそ、話題が深掘りされる。大きな白紙の地図に、さまざまな人の手によって新しい大陸が書き込まれていくような、そんな楽しさがそこにはある。

でも、なんというのだろうか。その楽しさはある種の「リアルタイム性」を持っている。いや、「リアルタイム性」を伴っていると言うべきか。

たとえば、今日AというブログとBというブログで記事があがった。面白く読む。次の日CというブログとDというブログで記事があがる。これも面白い。こんな風に毎日少しずつ記事を読んでいく。そして楽しめる。たぶん、記事の発見にはブログ記事内のリンクやらSNSでの記事シェアなんかが大いに役立つだろう。現代の新しい情報流通だ。

さて、一息つこう。一ヶ月ほど時計の針を進める。あなたはその話題のまったくの初心者だ。だからGoogle先生にお伺いを立てる。ここで問題が発生する。

  • 問題その1:すべての記事を見つけられるかどうか
  • 問題その2:すべての記事を読む気になるか
  • 問題その3:情報摂取の効率はどうか

Google先生は偉大ではあるが、人気が低いサイトやキーワードをうまく埋め込めていない記事はあまり表に出してくれない。そして僕たちは検索結果の5ページ以降にあまりアクセスしたいとは思わない。ある記事から芋づる式に他のすべての記事にアクセスできるのなら良いのだが、そこまで綿密に話題を収集しているブログはないだろう(無論テーマによる)。

また、SNSの話題共有を後から追いかけるのは結構しんどい。不可能ではないが複数のアカウントの過去のツイートをずいぶんとさかのぼらなければいけない。かなり根気の要る仕事だ。そして、根気こそ忙しい現代人が欠乏させているものでもある。

問題の二つ目は、それに関連している。仮に全記事のリストが手に入ったとしよう。それを読む気持ちが湧いてくるだろうか。リアルタイムで読んでいたときは、一日の「分量」はさほどではなかった。言い換えれば読む時間を分割払いしていた。しかし、後からまとめて読むときは、一気にそれが目の前に積み上げられる。気が滅入るに違いない。でもまあ、そのあたりはPocketなどの「後で読む」ツールを使えばある程度は回避できるだろう。

が、さらに問題は残る。ほぼ間違いなくそのリストの記事たちは情報が被っている。なにせそれぞれが別のブログの記事なのだ。そしてやっかいなのが完全には被っていないところだ。Aという記事とNという記事は、90%ぐらいは同じことが(たとえばアプリの操作説明法)書かれているかもしれない。そして、10%ぐらい(たとえば著者の感想)違うことが書いてある。

そういう細かい差異のある(あるいは細かい差異しかない)記事がリストには山積みなのだ。リアルタイムで分散して情報摂取しているときはそれほど気にならないが(むしろ忘却曲線への抵抗となる)、一気にそれらを読む時には非常にうっとうしく感じられるはずだ。

つまり、ブログで盛り上がり、分散した話題は、後から追いかける人にとってあまり有益な形にはなっていない。なにせ、ブログは個々人のメディアである。wikiではない。だから当然と言えば当然なのだ。

だったらwikiの方がいいのかというと、そんなに単純な話でもないと思う。ある意味でブログであるからこそ、10%の差異の話が出てくる気がする。ようするにブレストと同じなのだ。まず広げ、あとでまとめる(※)。
※もちろんwikiも背後で議論が行われていることは承知している。

で、この「まとめる」の分野が今までわりと放置されていたのではないか、ということをここ最近「共同の電子書籍マガジン」の構想を考えているうちに強く感じている。

つまりは、そういうものを埋めたいのである。

1件のコメント

  1. おっしゃることはとても共感できます。
    Webで調べ物をするときは、できるだけ多くの情報を得ようと、ググった後に上位のサイトを複数読みます。ただ、重複した情報やサイトに行くと実はエントリーの内容が少しずれていたりして、あまり意味がない時もあります。
    まとめエントリーはそういう意味では、情報はフィルタリングされていますが、情報の重複は避けられないですね。
    だれかがまとめるのではなく、Blogの書き手の皆さんが自分たちで情報をまとめていくというアイデアでしょうか?面白そうですね。

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