MacとiPhoneとiPadで使えるエディタ『Ulysses』

先日iPhone版が出たばかりのUlysses。

Ulysses
カテゴリ: 仕事効率化, ライフスタイル

Mac版は少し前から文章書きツールとして使っていたのですが、なんとなく慣れてきた感覚はあります。

Ulysses
カテゴリ: 仕事効率化, ライフスタイル

最初のうちは「Scrivener」と似たツール(同じカテゴリのツール)だと思っていたのですが、使っているうちにそうではないことに気がつきました。

今回はこのUlyssesについて書いてみましょう。

Ulyssesはワンライブラリである

Ulysses(ユリシーズ)は、ワンライブラリです。つまりEvernoteやWorkFlowyと同じ設計思想ですね。簡単に言えばファイルをつくりません。そして、一度馴染むとはるかにこちらの方が使いやすくなります。

Ulyssesはリッチテキストではない

ScrivenerやEvernoteはリッチテキスト指向ですが、Ulyssesはそうではありません。基本はプレーンなテキストで、そこにマークダウンが加わります。だから、基本的に動作は軽快です。

Ulyssesはエクスポートを前提とする

Ulyssesは、アーカイブ的に使うものではありません。どちらかといえば「作業机」といった感じです。

通常のテキストファイルだけでなく、HTMLやPDF、ePubといったフォーマットに出力できますが、何かしらそういうものへ「書き出す」のが本ツールの役割です。出口というか最終的なフォーマットの整形は別のツールで行うことも十分ありえるでしょう。

では、どんなツールか

基本的な概念は、以上を押さえればだいたいOKなんですが、もう少し詳しくみていきましょう。

以下が全体の画面。3つの領域に分かれています。

screenshot

一番左が「ライブラリ」、次が「シート列」、最後が「エディタ」です。まずは「ライブラリ」から。

ライブラリ

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Evernoteで言えば、ノートブックリストにあたるのがこの領域。iCloudの下にいくつかの項目(グループと呼びます)が並んでいますが、それらはすべて私が自分で作りました。このグループがテキストの「ひとまとまり」を管理する単位となります。

ちなみに、グループリストは、ノートブックリストと違いドラッグで移動可能です。そして階層を作ることもできます。このあたりはScrivenerのBinderに近い操作感覚です。もちろん、あるグループに含まれるテキストを別のグループに移動することもできます。

シート列

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Evernoteで言えば、ノートリストにあたるのがこの領域。ただし、この領域でも項目はドラッグで自由に移動できます。難しいことは特にありませんね。

エディタ

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実際に文章を書くことになる領域。基本はプレーンテキストなので、ScrivenerやEvernoteのように「装飾ボタン」うんぬんは特にありません。特徴があるとすれば、マークダウン(Markdown)が効く、ということです。

たとえば上記の例では一番上の行が「## 〜〜」となっています。マークダウンで「見出し2」(HTMLではH2)を意味する指定です。で、それを書いた行は、色とインデントが変わります。この変わり方(スタイル)は設定で変更可能なのですが、その辺の話はよいでしょう。

で、その見出しは、シート列にも反映されて、タイトルっぽく扱われます(もう一度、シート列の画像をご覧ください。タイトルっぽいものがあるのとないのがあって、ないものは文中に見出しの指定が存在していないシートです)。

よって「うち、マークダウンとかよくわからんし、あんま使わへんねん」という方でも、とりあえず「#」を使う見出しの指定だけ覚えておけばOK、ということは言えるでしょう。「#」が一番大きい見出しで、それ以降#の数が増えるたびに小さくなっていきます。それだけ覚えておけばバッチリです。

でもってUlysses

Ulyssesは、ワンライブラリ方式でファイルを作りません。だから、Evernoteと同じように何かを記録するたびにいちいちファイル名を与える必要がありません。「トウメイの首輪」という一行だけのフレーズ(言葉)を思いついたら、何の気兼ねもなしにそれを保存することができます。唯一それしか書かれていないシートだって簡単に作れるのです。

で、そのシートを使えそうなグループに移動させ、そこから文章を膨らませるでもよし、どこかの文章に組み込んでもよしと、自由に操作していけます。

この点に関して言えば、UlyssesはEvernoteよりもずっと軽快に「文章作成」に使えます。その点はむしろScrivenerに近いと言えるでしょう。

ただし、Scrivenerに比べると扱えるデータは少ないですし、エクスポート時に行える指定の細かさでも劣ります。たとえば私は自作の電子書籍をScrivenerで構成していますが、同じことをUlyssesでできるかと言えばそれは否です。よって、感覚的にはこの中間当たりに位置できるのではないかと今のところ考えています。

通常のプレーンなテキストエディタよりも、もう少し大きめのコンテンツ指向。しかし、Scrivenerほどではない。iCloudを使うことで端末を越えてデータを扱えるが、Evernoteほど完全なクラウドでもない。何かしら、そういった位置づけのツールです。で、大がかりなものが必要なければ、Ulysssesで十分、という声もあることでしょう。

あるいは別の視点から言えば、「少しアウトライナーに寄ったテキストエディタ」という言い方もできるでしょう。階層的表現力を持つエディタ、というような意味合いです。

どのような視点を持つのであれ、Ulyssesは(似ているようであっても)それ以外のツールとは異色の存在で、独特の「使用感」があります。その点は踏まえておきたいところです。

さいごに

個人的にはUlyssesは、「コンテンツ・プロセッサ」というカテゴリ名を与えようと思います。

ワード・プロセッサでもなく、ドキュメント・プロセッサ(私がScrivenerに与えたカテゴリ名です)でもない。「コンテンツ」を作る過程を支援するツール。それぐらいのサイズ感がおそらくはフィットするのではないでしょうか。

最後に蛇足になりますが、一番似ているのはWorkFlowyかもしれません。だからもろに用途が被る人は多いと思います。

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