首相、早期改造で「福田色」前面に (日本経済新聞)
福田康夫首相は29日の同行記者団との懇談で、来年1月に内閣改造に踏み切り、衆院解散・総選挙は来年夏以降としたい考えをにじませた。自前の内閣で「福田カラー」を打ち出し、政策面での実績を掲げて選挙に臨む狙いがうかがえる。だが衆参のねじれ国会を背景に政権の手詰まり感も強まっており、改造でどう局面を打開するかは難しい課題だ。
当然、もう自分には政治を引っ張っていく力がないからバトンタッチの相手とタイミングを探っているなんて自分で言う総理はいないでしょう。
内閣の改造を行ったとしても、政権運営の障害が取り除かれないことは明白なので、さすがに夏までこの政権が持つことは考えにくいのではないかと思います。
というか、そうなってしまうと、ますます変化へのタイミングが遅れてしまう、という危惧の方が大きくなってしまいますね。
小沢民主代表:自民との大連立、改めて正当性主張(毎日新聞)
民主党の小沢一郎代表は28日、衛星放送「BS11デジタル」の討論番組「フェイス」の収録で、自民党との大連立構想について「民主党は政権の側にいたことがない。政権とはこういうものだという訓練にもなり、一石三鳥。民主党本格政権につながるのは間違いないと思った」と改めて正当性を主張した。
小沢氏は「政策が全然実現できないならやめればいい。民主党の政策が実現できる前提なら、(連立を組んだ方が)政権を取る近道」と強調。参院を通過しながら、衆院で審議が止まっている民主党提出の農業、年金関連法案を例に挙げ、「政策協議で合意していれば、今ごろ実現している」と述べた。
小沢氏の言っていることはもっともな響きがあるのですが、どうにも引っかかるというか違和感があります。
一つの党の存在価値はその実現することという前提が小沢氏の意見にはあるわけですが、私にはその前提が留保なしに正しいとは言えない気がします。
与党と野党の理想的な関係は、与党が推進力、野党がブレーキとなって極端な方向性を取らずに、なるべく中庸な、国民の多くの利益をもたらす政策をとらざる得ない状況を作り出す事ではないかと思います。
野党の力が一方的に劣っていればまるで民主主義でないような状況が生まれてしまいます。
いまこの状況で自民党と民主党が連立するというのはまさに一方的な大与党をつくることになってしまいます。もちろんそれで実現される政策は多くあるでしょう。それは民主党の政策を実現するために自民党がある程度おれるという状況が生まれるわけですが、逆に言うと自民党の政策を実現するために民主党もおらざる得ないという状況も生み出してしまうわけです。
そういう状況を作り出すことが民主党の存在理由なのでしょうか。明らかに中身は自民党と変わりない(政策の一致というよりは利害で結びついている)民主党ですが、やはり第一義的に自民党との政権交代、つまり自民党を政権の座から引きずり下ろす、ということが国民から求められているのではないでしょうか。
つまり、「民主党が与党になる」ということと「自民党が与党から落ちる」ということは大連立という構想が無ければ同じ意味だったのですが、大連立構想ができると片方が実現してももう片方は実現されないという状況を生み出してしまうことになります。
個人的な意見では、どうも民主党の存在意義がぼやかされている、あるいはすり替えられているという気がしてなりません。
確かに一度政権側について経験を積んでおくということも重要かも知れません。しかし今の日本にそんな悠長な事を言っていられる時間があるのかどうかかなり微妙なところです。年金に代表される社会保障、そして税制、に関しては一刻も早い抜本的な改革が迫られているように思います。
今年を通して日本の株価が2000円ほど落ち込んでしまったというのも、改革の理想が掲げられその必要性が叫ばれる中でも、遅々として進まない日本外からの日本に対しての評価が明確に現れているような気がします。
とりあえず、まず何より解散総選挙ありき、だと思います。大連立を主張するならしてそれで選挙を行えばよいでしょう。それで国民がどのような判断を下すのか、それを見てから動くということがやはり一番大切なことではないかと思います。