ちょうど良い断片のサイズ

以下の記事を読みました。

自分だけの断片、まとまり、つながり – simple and bright

もうひとつ、この本を読んで感じたのは、実は「断片を作る」ところがある意味最大のヤマではないのか。

あまり意識していなかったことです。でも、たしかにそうかもしれません。

「断片」とはいえ、それ自体すでにひとつのまとまりなのです。ただ、断片をまとめたりリンクを張るのとは決定的に違う要因がある。リンクはアルゴリズムがある程度やってくれる(evernoteにもその機能があります)が、断片を作ることまではアルゴリズムがやってくれない。自分の頭の中の最低単位を作るのは、自分しかできない。

Evernoteを全体とすれば、そのノートは断片に過ぎません。しかし、断片とはいえ、それはノートという一つの情報のまとまりを形成しています。で、ここで問題が発生するわけです。

「いかなる量を、そのひとまとまりとするのか?」

難しい問題です。偉い先生に訊いても、まず答えは返ってこないでしょう。なぜなら、それを知るのは、いや、それを決めるのはあなた自身だからです。そうでなければ、Evernoteはあんまり役に立たないツールとなってしまいます。

Webクリップについて考えてみましょう。

何か面白いページを見つけました。呼吸するようにそのページをクリップします。それはページ全体? それとも面白いと思った部分? その判断によって、できあがる断片のサイズは変わります。Evernoteは、フォーマットが非常に緩いのでそんなことが可能なのです。

あるいは、「同じテーマで見つけた3つのページのウェブクリップをまとめたもの」が断片のサイズになるかもしれません。そして、一人の人間の中ですら、これら複数のサイズがEvernoteに共存しうるのです。これは、まあ、ややこしい(そしてやっかいな)問題ではあります。もちろんWebクリップだけでなく、他のさまざまな記録についても同じことが言えます。

では、どうしたらちょうど良いサイズ感を見つけられるのか。

これはもう、実際に作ってみるしかありません。使ってみるしかありません。

試行錯誤を前提として__つまり、最初は失敗するだろうことを織り込んで__、「とりあえず」断片のサイズを決めてしまうのです。そして、その情報を「使ってみよう」とするのです。そのときに、何も違和感がなければそのままいけばよいでしょう。もし、何かしらの違和感があれば、サイズを変えてみることです。そうやって、大きくしたり、小さくしたりしながら、「ちょうど良いサイズ」を探り出すのです。

もちろん、いくつかのモデルケースを紹介することはいくらでもできるでしょう。効率的にやるならば、そのモデルケースから「選択」して、たまたまうまくいくのを期待したってよいのです。でも、もしそこに試行錯誤が欠けているならば、中長期的にみて問題が生じます。

なぜなら、その「ちょうど良いサイズ」は環境の変化と共に変わってしまうからです。その際、自分なりの「ちょうど良いサイズ」に合わせていく手法を身につけていないと、合わないサイズの断片を増やし続け、結果Evernoteがクラウドゴミ箱になってしまうことも充分想定できます。

だからEvernoteは、少しずつかつ定期的にノートを増やし続け、それを実際に使ってみながらアジャストを繰り返していくのが一番なのです。

とまあ、簡単に書きましたが、実はそんなに簡単ではないわけですね。最初の一歩は、それなりにジャンプを伴うものかもしれません。だから葉梨さんは、少しくらいは枠として機能する「ノートを増やすための指針」を与えてくれたのでしょう。

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