提案型タスクリストと自分の意志

「さて、仕事に取りかかるとしよう。タスクリストを作成してくれ」
『了解しました。モード”平日”にてデイリータスクリストの作成を開始します』

この後アリスは、マスターの体調をスキャンし、その結果を加味して上で「クリエイティビティ・タスク」の実行を勧めてきます。

たぶん、最高のタスク管理でしょう。

アリスの物語 (impress QuickBooks)
インプレス (2014-05-15)
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以下の記事を読みました。

目標管理を可能にするGoogleカレンダーの新機能。未来的で、融通の効かない第一印象について | Lifehacking.jp

目標に向けて努力したり、スキルを習得したり、単にリラックスする時間を確保したい。でもそれを割り当てる時間は? それ半自動的にみつけてくれる新機能がGoogleカレンダーに登場しています。

面白い機能です。ただし現状は多少ややこしい状況もあるとのこと。

しかしそれもあって、あらかじめ「ここは食事時間」「ここは出勤時間」という情報をいれておかないと、とんでもない時間に目標を設定してくるということもしてくれます。

Googleのアルゴリズムが「半自動」で割り当て時間を見つけてくれるにしても、そのアルゴリズムは私の時間の使い方のすべてを知っているわけではありません。たとえば毎日20時に夕食を食べているとして、いちいちその「予定」をGoogleカレンダーには登録しませんよね。だから、アルゴリズムが20時に「運動したら? ねぇ、ねぇ」と提案してくることも十分あるわけです。

だったら、そうですね。一日の主要な予定をGoogleカレンダーにつっこんでしまえば良いのです。その考えを現実的に実装しているのがタスクシュートでありたすくまであることは言うまでもありません。

タスクシュートはリピート、つまりログによって予定の骨組みを作るわけですが、そこに追加機能として「ここで20分ほど読書してみたらどうですか? 先週のあなたは読書時間の少なさを気にされていましたよ。あと、去年のデータを見る限りでは来週辺りから体調が崩れ始めるので、今のうちに集中力が必要な作業をしておくのもいいですね」と提案してくるbotがあれば、もうアリスの背中が見えてきます。

素晴らしい?

頷く人もいれば、そうでない人もいるでしょう。あたかも、自分がAIから操作されているような、あるいは自由意志が漂白されかかっているようなそんな感覚を覚える人もいるかもしれません。

しかし、セルフマネジメントを探求している人であれば、大いに頷くはずです。なぜならその人たちは自由意志の薄弱さを知っているからです。「自分の意志」みたいなものは、おどろくほど揺れます。個人の選考は、置かれた環境によって簡単に変化するのです。

そうしたとき有効なのは__強い意志などではなく__、ある時点の「自分の考え」を灯台のように発し続けてくれる存在です。紋章のように考えを刻みつけ、それを私に向けて突きつけてくれる存在です。

それは眼鏡をかけた美人秘書かもしれません。手帳に書いた自分の言葉かもしれません。出自が不明なAIということもあるでしょう。

なんであれ、そうした存在がある時点の「自分の考え」を想起させます。そう、結局そうして提案(あるいは緩い強制)されたとしても、最初の意志自体は「自分の」ものなのです。

また、提示された内容が絶対に、どうあがいても、金輪際やりたくないものであれば、「やらない」という選択肢はあなたに残されています。なにもアルゴリズムは私たちの脳に電流を送り、体を操作しているわけではないのです。

「やった方が良いと思う気持ち」と「面倒だなと思う気持ち」が拮抗しているとき__むしろ後者が力を持っているとき__灯台のような存在が、「でも、やっぱりやろう」という背中を押してくれます。

が、それはそれとして人間の心情として「機械的に命令」されたり「嫌いな人間から命令」されたりするのは、あまり気分がよくありませんね。つまり、UIが大切なのです。それこそアリスのように。

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