僕たちは、文章の書き方は知っている。
僕たちは、新しいことを言おうとするとき、それを表現するにふさわしい新しい文章を書こうとする。
僕たちは、文章の書き方は知っているが、そうした新しい文章の書き方は知らない。
なぜなら、その文章は未だかつて誰にも書かれたことがないからだ。
僕たちは自転車に乗る。
でも、すぐに運転できるようにはならない。
ぎくしゃくとハンドルをキープしたり、ときどきひどく転けたりしながら、自転車の扱い方を学んでいく。
運転しながら(運転しようとしながら)、その技術を学んでいく。
文書の書き方も、同じだ。
文章は書きながら、書き方を覚える。
新しい文章の書き方も、同じだ。
新しい文章の書き方は、書きながら覚えていく。
たった一度だけしか使えない、書き方を。
完成に向かって文章を書いているとき、何度も書き直すことがある。
細かい表現だけではなく、大きな構成をいじったりもする。
書き直すことは、何度も何度も発生する。
それは、そう、自転車で転けるようなものなのだ。
その執筆は、実践であり練習でもある。しかるべき書き方を見つけ出すための練習。
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