BlogArts

タグで本をつなぐ

のきばトークの第五回を収録しました。

テーマは「Honkure」についてで、こんなテーマで大丈夫かなと思いきや、わりと長くなりました。そんな風には見えないかもしれませんが、実はいろいろ考えて運営しているのです。それに、ここで話していないこともまだあったりするのですが、それはおいおい書いてきましょう。

今回は、中で出てきたAmazonについての不満について書いてみます。

アクセスの縦と横

たとえばニコニコ動画だと、ユーザーが各動画にタグをつけられます。実際はタグロックだとか、タグ戦争だとか、いろいろややこしい話があるわけですが、その話は一端横に置いておきます。

screenshot

もともとニコニコ動画では、動画は「ジャンル」から、つまりトップダウン・カテゴリから探すこともできますし、検索でダイレクトに探すこともできます。で、自分が見た動画についてあるタグから、動画を渡り歩くこともできます。つまり、縦と横の両方のルートがあるわけですね。

で、コンテンツ消費においてはこの両方が大切です。

Amazonにおいて他に買える商品、たとえば家電なんかだと、あまり横は大切ではありません。東芝の洗濯機を買って満足したからといって、次の日に東芝の冷蔵庫を買うということはまずないでしょうし、ちょっと別のものを試そうかと三洋の洗濯機を買うこともないでしょう。

こういう場合は、縦__洗濯機カテゴリのランキング1位の商品__でのアプローチか、あるいはダイレクトな検索があれば事足ります。

本は?

しかし、本はそういうわけにはいきません。本はむしろ動画の消費に似ています。

Amazonランキングで1位の本を読んで面白かったからといって、じゃあ2位の本も読むか、とはならないでしょう。なにせそこには内容的関連性はまったく__あるいはほとんど__ないわけですから。むしろ、その読んだ本と関連性を持つ、言い換えれば横につらなる本を探したいわけです。それこそ、私がニコニコ動画で必死でタグを渡り歩いているみたいに。

しかしながら、現状Amazonのサイトで「タグ」として機能するのは、「著者名」だけです。他にもカテゴリがリンクとして載っていますが、たどりつくのはランキングなので内容的関連性を漁るにはまったく不向きです。「クラウド」カテゴリで1位の本が面白かったからといって、2位の本を面白く読めるとは限りません。ぜんぜん限りません。

唯一の救いは、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」ですが、これも「未知の本と出会える可能性」を拡げてはくれますが、内容的関連性を担保してくれるものではありません。

だからそう、タグなのです。出版社がつけるのか、ユーザーがつけるのか、あるいは動画で話したようなトリックを使うのかはいろいろあるかとは思いますが、「本を渡り歩く」ためのタグが欲しいのです。

Honkureのタグ

ということを考えて「Honkure」ではタグを重視しています。

たとえば、以下は『数学文章作法 基礎編』(結城浩)』の記事についているタグです。

screenshot

このうち、「≪表現の技法≫」をクリックしてみれば、こんなページになります。

screenshot

あとは気になる本があれば、それをご覧いただければよいでしょう。

『数学文章作法 基礎編』から『数学文章作法 推敲編』をレコメンドするのは難しくありません。『数学ガールの誕生』は少し難しいでしょうが、著者名でいけます。しかし、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』や『何を書くか、どう書くか』を提示しようと思えば、そもそもその本に何が書いてあるのかを知っておかないと無理です。

だから、誰かがタグをつけなければならないのです。

この辺りについては、以下の本で紹介されている、「動画」へのタグ付けが人力で行われている話と共鳴します。

さいごに

と、大きなことを書きましたが、Honkureをはじめてまだ二ヶ月とちょっとしかないので、本の登録はぜんぜんできていません。タグの数も少ないですし、タグをクリックしたときに表示される本の数も少ないです。こればかりは時間を掛けてやっていくしかないでしょう。

それに、仮に私が読んだすべての本を登録したとしても、せいぜい2000〜3000といったところ。真の意味での、reading guideにはなれそうもありません。

でも、「ウェブの書店」というのは、たぶんこういう形をしているのがベストではないかと個人的には思います。このサイトはそのためのちょっとした実験でもあります。

ちなみに作り手視点で言うと、このタグスタイルは、ボトムアップによる「まとめページ」作りでもあります。通常の「まとめページ」は、まずページを作り、そこに本の情報を集めるという形を取りますが、Honkureの場合は、本を紹介してそこにタグを付けるだけで、自動的に「まとめページ」に追加されるので、かなり楽に運営できます。その点は、(これまで何度も失敗しているので)気をつけました。

他にもHonkureについては裏で考えていることが山ほどあるのですが、その辺は動画なり、私に直接会って聞くなりしてください。

では、では。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です