0-知的生産の技術

読んでなくてもいいじゃん

一年間に、7万とか8万の本が新刊として出版される、みたいな話を聞きました。とんでもない数です。仮にその数が半分になったとしても、とんでもなさ加減は変わらないでしょう。

もちろん、それこそが「本」という文化の多様性を担保してもいるのですが、問題は出会いです。

私が丹念に書店を練り歩いて、一年間に1万冊の本と出会ったとしても、6万冊程度のチェック漏れが出てきますし、実際は書店には置いていないような本もあるので、そもそもその計画自体に無理があります。そして、次の年が始まるのです。チェック漏れは、10万冊、15万冊とわけがわからない数に膨れあがっていきます。

まあ、そうやって出版される本の大半は、私にとってどうでもよい本なので、チェックが漏れていてもどうでもよいのですが、100%完全に、そのすべてがどうでもよいとは言い切れないのが難しいところ。見逃した6万冊のうち、一冊くらいは人生をねじ曲げてしまうような本が含まれていることもありそうです。なにせ6万冊ですからね。

そこで、こんな話も出てきます。

ようは「読み終わった本」を紹介してくれるのはよいのだけれども、それだけだとあまりに数が少なすぎるんじゃないのか、ってことなんだと思います。ですよね。

もちろんどうがんばっても8万点数をフルカバーすることはできません。それでも、「読み終わった本」以外でも紹介していけば、本との接点は増えるのではないかと思います。そもそも、書店に足を運ばない人も多いみたいですし。そういう場合、新しく出会える本の種類が非常に限られてしまいます。仮に書店に足を運んだとしても、各書店によって「傾向」があるので、日本全国津々浦々の書店を巡り歩かない限りは、どうしてもフィルターが働いてしまいます。

だから、人と人がネットワークを作り、そこでそれぞれの人が見つけた「あっ、面白そう」という本を紹介することで、新しい本に出会える確率を上げられるのでは、というアイデアが出てくるわけですね。

ただこれは「あちら側」の人向けの情報です。あちら側とは、本に関する感覚がもうバカになっていて、「面白そうだったら、ともかく買う」みたいなことを平然と思う人ということです。「ぜひとも、面白い本(だけ)を買いたい、読みたい」という人にとっては、こういう情報はあまりに乱暴に感じるでしょう。なにせ、情報を提供する人が面白さのハンコを押してくれていないわけですから。

でも、世の中には他人のハンコなんて(ほとんど)見向きもせず、自分のジャッジメントで本をやたらめったら買う人がいて、そういう人にとっては、売り場でも見かけないし、検索ワードも知らない本の情報が目の前に出てくるだけで「ごちそう」なわけです。

だからまあ、#FTBook なわけです。説明はしません。

なぜなら、そういうネットワークに、アフィリエイト狙いの人たちが混ざってくると、情報ソースとして役に立たなくなるからです。そういう人たちは結局、「売れそうな本」「売れている本」の情報を流すばかりとなり、それって結局書店とかと一緒じゃん、ってことになります。求めているのはそういうのではないのだよ、明智君、と僕は声を大にして言いたくなります。

だから僕らは僕らでひっそりやるわけですが、それはそれとして「面白そうな本」とか「途中でやめちゃった本」とか、そういう本の紹介も、喜ぶ人はたぶん喜びます。あるいは、その数は少ないのかもしれませんが。

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