道を歩く。
ショッピングモールの、綺麗に整えられた道を歩く。
道幅も広く、障害物も少ない。さくさくと歩き続けられる。
ふと思う。歩き方は、道に依る、と。
デコボコしている道、ぬかるんでいる道。綺麗な道と同じようには歩けない。
足は自然と、道に合わせて歩き方を変える。歩幅が変わり、踏み締め方が変わる。当然、姿勢も変わる。
階段はどうだろうか。次の一歩は高さが違う。それでも、強い意識などなく、僕たちは歩き続けられる。
歩き方は、道に依る。
道があり、体があり、その相互作用としての歩き方がある。当然、靴も関係してくる。
考え方も似たようなものだろう。
何について考えるかは、どう考えるかに影響してくる。何を使って考えるかも、影響してくる。
だからこそ、足し算と推理ゲームは違っている。ペンとキーボードも、作業効率と人生の大きな決断も、話し言葉と書き言葉も、違ったものをもたらす。
思考は独立などしていない。単一のものですらない。
それはおどろくほど豊かで、確固たる矛盾を内包し、常に新しい形を生み出せる可能性を持つ。
そして自分にとって最適な形を、自然と選択する。そういうことはあるように思う。
考え方もまた、道に依る。
道によって決定することはないにせよ、影響は受ける。
思考もまた、所作なのだ。
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