「タスク」の研究

誰ガ為のタスク管理

次の記事を読みました。

タスク管理は「できる社会人の仕事ツール」ではない | Todoist Blog (日本語)

タスク管理は「できるビジネスマンの仕事術」ではなく、その逆、「要領が悪い人のサバイバルツール」なのです。わたしも、自分の電話番号を覚えられなかったり、仕事が多いと混乱して投げ出したくなるタイプなので、そういう人を応援したくなります。

もちろん、タスク管理は「できるビジネスパーソンの仕事術」であってもよいのです。というか、まさしくそれが当てはまるでしょう。それと共に、「要領が悪い人のサバイバルツール」でもあります。ここが重要なところです。

一見両極端に見えるこの二つのタイプの人にとって、タスク管理が役に立つこと。それが、タスク管理の根源に至るための道です。でも、別に多くの人はそんなところに至りたいわけではありません。それぞれの人が、自分が求めるものに応じてタスクを管理していけばいいだけです。

逆に、タスク管理が必要ない人は、「今のままの状態で十分」な人でしょう。そういう人には、ありとあらゆるノウハウは必要ありません。なにせ、ノウハウは変化をもたらすものなのですから。

あなただけではない問題

ときどき、「もうちょっとメモを取った方がいいよ」とか「やることを管理したら」というようなことをやんわりアドバイスすると、怪訝な目で見られることがあります。まるで、普通に手を伸ばせば届くところに吊り下げられているバナナを取るために、足を載せる台とバナナを叩く棒を使えと指示されたかのような目つきです。

たぶん、「あなたは記憶力が悪いですね」と言われているように感じるのかもしれません。それは半分正解で、半分間違いです。たしかにその人は記憶力が悪い。でも、それを言う私も記憶力が悪いし、なんなら全人口の99%は記憶力が悪いのです(ごく稀に記憶しすぎる人もいます)。

別にその人だけが記憶力が悪いわけではありません。

「タスク管理」という言葉

「タスク管理」に類するものを嫌う人は、ようするにそのままの状態で問題を感じていないか、あるいは上記のような自分の能力の欠損を指摘されることに対する嫌悪感を持っているのかのどちらかなのでしょう。

しかし、タスクを管理をすることは、ごく簡単に言えば「まっすぐな線を引きたかったら、定規を使った方が良いよ」という程度のことでしかありません。きわめて普通のアドバイスです。

ただ「タスク管理」という言葉の語感が、必要以上の印象を与えていることはあるでしょう。それと同じことは「知的生産の技術」においても起きています。「知的」という言葉が必要以上に「知的」な雰囲気を生み出しているのと同様に、「タスク」という言葉が意識の過剰な高さを彷彿とさせ、「管理」という言葉が、管理者(マネージャー)的雰囲気を生み出しているのかもしれません。言葉というのは、なかなか扱いが難しいものです。

おそらくGTD本が日本で売れたのも、「ストレスフリーの整理術」というタイトルだったからでしょう。このタイトルには間口の広さがあります。なにしろ、仕事でストレスを感じていない人など1%ぐらいしかいないでしょうから。

だからタスク管理も、「やること整理術」ぐらいに言い換えれば、今よりは認知が広がるのかもしれません。なにせ、仕事や生活で「やること」を抱えていない人などほとんどいないでしょうから、射程は広そうです。

さいごに

たぶん、「要領が悪い人のサバイバルツール」という文脈でコンテンツを作っても、そこそこ支持されるでしょう。そういう本は、案外今のビジネス書では出ていなくて(もちろんゼロではありませんが)、掘り下げがいがありそうです。

それはそれとして、私はもう少し広い「やること整理術」の視点でまとめてみたいかなとも思います。

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