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クローズドリストでプロジェクトを管理する – ForGetting Things Done
タスク管理について知識のある方は、「これじゃオープンリストじゃなくてインボックスじゃないか」とお思いになるかと。おっしゃる通りで、今の私にはこの2つの違いがいまいち分かっておりません。
基本的にこの二つは同じですね。同じ、というか片方がもう片方の説明になっています。
オープンリスト
「オープンリスト」とは、オープンなリストということです。直訳すれば、「開いた(閉じていない)リスト」の意味で、いくらでも自由自在に項目を追加できるリストを指します。
このオープンリストは、リストの性質を示しているに過ぎません。「オープンリスト」という具体的な機能を持つリストがあるわけではないのです(もちろん、作ることは自由にできます)。
パソコンの中にあり、そのパソコン内でしかアクセスできないものを「ローカルファイル」、などと呼んだりしますが、もちろん「ローカルファイル」というものが具体的に存在するわけではありません(もちろん、作ることは自由にできます)。
ローカルは、そのファイルの一つの性質(属性)を示す言葉であり、オープンもそれに対応します。
オープン(/クローズド)は、そのリストが開いているかどうか(自由に項目を追加できるかどうか)についての性質に言及しているだけであり、そのリストにどんな項目が並んでいるかはまったく無関係です。
インボックス
インボックス(受信箱)は、新規のタスクが入ってくる場所です。でもって、これはリストでもあります。
「inbox zero」という思想は、「受信箱をタスクリスト代わりにしてはいけない」というコンセプトが背景にあるわけですが、逆に言えば、受信箱がタスクリストの代わりとして使えてしまう、ということでもあります。なぜなら、受信箱はリストだからですね。受信したものが、一列に並んでいる。もうこれだけで、「リスト」と十分に呼び得ます。
インボックスはリストなのです。
では、どんなリストかと言えば、「新しいタスクがどんどん入ってくる」リストなので、必然的にこれはオープンになります。クローズドなインボックスというのは、概念的に矛盾するのです。
よって、インボックスは、たしかにオープンリストです。オープンリストな性質を持っています。
さいごに
ちなみに、「チェックリスト」も、名前から分かるとおりリストの一種ですが、これは概念的にはクローズドな存在です(あるいは、クローズドであるべき存在です)。
名前を整理して整えておくと、
・インボックスリスト→オープンリスト
・タスクリスト→?
・チェックリスト→クローズドリスト
となっていて、「じゃあ、タスクリストってどう運営するのよ?」という話に対し、「You、クローズドでいっちゃいなよ」と言ってくれているのが、『マニャーナの法則』なわけです。これが大変有用な提言であることは間違いありません。
が、それはそれとして、「オープン/クローズド」は、性質(属性)の一つであると書きました。そして、この考え方は実はパソコンのファイルにもあります。
set fn to open for access file fpath with write permission
set fn to open for access file fpath
この二つは「ファイルを開く」という行為自体は同じですが、write permissionの有無に違いがあります。そして、write permission がなければ、どれだけファイルの中身を取得できても、それを書き換える(書き加える)ことはできません。つまり、 write permissionなしの状態はクローズドであり、 write permissionありの状態はオープンなのです。
「オープン/クローズド」が性質(属性)の一つであるならば__つまり絶対的な役割を意味しないのなら__、それらは変更(切り替え)可能なはずです。でもって、それがタスクリストを含めたリスト全般を運用していく上に必要な考え方だと、最近考えております。
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