執筆プロジェクトをクローズしていたら、作成した企画案マップが出てきたので、ちらっとご紹介しておきます。
この手のものは執筆前〜執筆中に何枚も書いたのですが、これが最後のバージョンです。
多用な付箋構成
中央には吹き出し型の付箋を配置。そこにタイトルを書き込みます。この段階では「夢と目標の研究」となっていますね。発売日の前日まではこの仮題で進んでおりました(表紙を作るときに変更しました)。
その周囲には、通常の横長付箋をそのまま貼り付けたものと、円形にカットしたものを使って大きなキーワード(キーフレーズ)を書き込んでいます。やはり円形にすると目を惹きますね。
また、ロールタイプの付箋をちまちまとハサミで切り出し、本に含まれるトピックを並べ、内容的に近いものを近い場所に配置してあります。
たくさんの付箋がありますが、すべてを使ったわけではなく、原稿を整える段階でまるっと排除したものも少なくありません(当初は、『ファスト&スロー』の話をもっと紹介する予定でしたが、ばっさり切りました)。
最後に、文章的な塊を持つメモを、ノートパッドタイプの付箋に書き込み、適切なサイズに切断して貼り付けました。
このようにして、企画案を紙の上&頭の中で整理し、実際の原稿の整理に進んでいったわけです。
多用な文章構成
単純に数えても、4種類の付箋を使っています。別に趣味でやっているわけではありません。それが必要だから、わざわざ付箋を使い分けているのです。
以前、「Recursive Writing Method : 再帰的執筆技法概論」という記事で紹介しましたが、テキストを「構成」する要素はじつは結構たくさんあるのです。
思いつき・走り書き・短い文章・パラグラフ・プロット・論旨・アイロニー・テーマ・筋書き・概念・原理・表題・etc……
企画案を考えるときには、これらの要素がごそっと頭の中に浮かんできます。そして、それを整理していかなければいけません。それなのに、付箋が一種類でよいでしょうか。そんなはずはありません。
付箋は、規格化された優秀なインターフェースを持っていますが、だからこそ一種類の付箋でテキストを構成する多用な要素を管理するのは苦手なのです。
もちろん、付箋には色のバリエーションが存在しています。しかし、色の違いは同一レイヤーの異なるプロパティーを示せるだけで、レイヤーの違いまでは難しいのです。
たとえば、考えてみてください。上記のマップを、同一の形の単なる色が違うだけの付箋で作成したとしたら。ここまでビジュアル的に力を持つものになったでしょうか。「見ただけ」で情報の差異が把握できる状態になったでしょうか。やはり難しかったでしょう。
だから、そう。脳の使い方に合わせて付箋を使い分けたのです。
さいごに
つまり何が言いたいかというと、知的生産における付箋の使い方はもっと探求の余地があります。さらに言うと、「付箋」というツールにもまだまだ発展の余地はあるように感じます。
「知的生産のための付箋」
いいですね、こういう商品が発売されたら即座にまとめ買いしそうな気がします。どこかのメーカーの方がんばってください。期待してます。
▼これでできた本:
▼こんな付箋も:
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