物書き生活と道具箱

実用書と創作文、あるいは器と中身 #DrHack

さらに引き続き、新刊『Dr.Hack』について。

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今回は小説作品を書く、ということについて書いてみます。

中身と器

私は雑多な物書きです。実用書も書きますし、創作文も書きます。デュアル・オーサーというわけです。

でも、それだけではありません。

実用書っぽい創作文も書きますし、創作文っぽい実用書も書きます。実用書+創作文も書きます。だから、ハイブリッド・オーサーなわけです。

★実用書っぽい創作文

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★創作文っぽい実用書

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★実用書+創作文

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というか、そもそも私はジャンルを念頭に置いて何かを書いているわけではありません。書きたいこと・表現したいことがまず先にあり、それを適切に収める器はどれだろうと考えてものを書きます。その際、既存の器に適切なものがあればそれを使いますし、そうでなければカスタマイズしたり、器そのものを創作したりします。別にそれは奇をてらっているわけではなく、書きたいことが先にあるからこその必然です。

だから今後も実用書を書いていくでしょうし、同様に創作文も書いていくでしょう。むしろ、これまでは創作文の数が少なかったきらいすらあります。その分、今後は徐々に巻き返していくことになるでしょう。

でもって本作はそのリングでのジャブみたいなものです。いや、ジャブよりももっと弱い、ゴングが鳴ったときにボクサーが軽く拳を打ち合わせるアレみたいなものです。前哨戦、といったところでしょうか。

ある種のことがらは実用書の体裁で書いた方がうまくいきます。逆に創作文(小説)の形で表現しないと、どうしても伝えきれないこともあります。こればかりはどうしようもありません。器一つひとつには機能があり、個性があり、限界があります。物書きはそれを適切に見極めて使い分けるしかありません。繊細な板前が、料理に合わせてお皿を選ぶようなものです。

極端なことを言えば、『Dr.Hack』のエッセンスは実用書のフォーマットでも表せます。それで「知識」は伝えられるでしょう。でも、それだけではないものがこの作品には詰まっています。それが一体何なのかは、さすがに読んでもらうしかないわけですが__だからこの本を書いたわけです__、それでも『数学ガール』から物語を取り除いたら『数学ガール』ではなくなってしまうように、本作も小説であることにはきちんと意味があります。

別にキャッチーさや単なる目新しさのために「ライフハック・ライトノベル」を名乗っているわけではありません。そこには意志というか、「そうしなければならない」という切実な何かがあるのです。

とは言え、物語の形式にしてしまうと、トピックを拾って流し読みする、みたいなことはできないわけですし、解釈の違いや具体性におけるズレみたいなものも生じます。「読んだらすぐわかる」的なビジネス書読みはできません。が、こればかりはトレードオフなので仕方がないでしょう。

本の在り方、読まれ方にもいろいろあるわけです。


というわけで、今後も小説作品及びなんだかよくわからないジャンルの本を書いていくよ、というお話でした。次回は10万字というボリュームに関する話を書いてみます。

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