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ぼくのかんがえたさいきょうのアイデア管理ツール

Posted on 2017 年 5 月 20 日 by Rashita
Tag:
  • アイデアの扱い方

たとえば、Evernoteにこんなメモが3つあります。

サイドリストビューでみると、こんな感じ。

これらの3つのメモは、私の脳内でリンクしているのですが、Evernote上ではそれがうまく表現されていません。

仮にそれをマップ的に書き起こせば、次のような感じになります。

概念とリンク

まず、「インタビューの構造化」と「インタビューの起こし方」が関係しています。前者がインタビューのやり方、後者はまとめ方なので、ほとんど同列の関係です。前者の話をするならば、後者の話もするだろう、というところ。

で、後者の「インタビューの起こし方」については、Web記事で見つけた伊丹万作監督の言葉が関連しているな、という印象です。原作がある映画を作るときは、その原作の「血」をいかに抜き取るかが大切か、みたいな話なのですが、それはインタビューを読みやすい形に編集する場合でも同様な気がします。

だからたとえば、「インタビューの起こし方」についての説明を書いているときに、「伊丹監督も次のように言っておられます」的に補足情報を書き加えるようなことがあるかもしれません。それはリンク的に明示しておきたいものです。

でもって、最初の「インタビューの構造化」についてですが、これは「構造化、半構造化、非構造化」の3つがあるよ、という話で、まったくもって構成案の作り方に対応するなと思った次第なのですが、それはつまり文章の書き方にもそのまま応用できるだろうという直感があります。だから、「デジタル作文技術」における「執筆法」としても位置づけられるでしょうし、「断片からの創造」の組織化としても位置づけられるでしょう。

以上のように、3つの断片的なメモでも、私の脳内ではそれぞれにリンクしており、さらに別の情報とも接続しています。加えて言うならば、「デジタル作文技術」も「断片からの創造」も、別の断片とリンクしているわけで、私の脳内概念ネットワークはそのようにして広がっているわけです。

必要な要件

ということを考えてみたときに、どんな要素があれば、これらを表現できるのかが少し見えてきます。

まず必要なのは概念です。「インタビューの構造化」や「インタビューの起こし方」にあたるものです。これはおそらく二種類の要素によって構成されていて、一つが見出し、もう一つが内容です。見出しはそのまま、概念を代表するものとしてマップに書き込まれていますが、その詳細も別途必要でしょう。概念を操作するレベルでは見出しだけあれば事足りますが、詳細を詰めるレベルでは、内容も必要となります。よって、二つの要素は切り分けて管理するのが良いでしょう。

さらに言えば、ものによっては、見出し=中身となるものもあるでしょうから、中身は空っぽでも大丈夫なように設計しておくことが吉です。ついでに言うと、それぞれで見え方が違っているとよいかもしれません。つまり、中身があるものと中身がないもので表示がちょっと違っている、ということです。たぶん操作感が違ってくると思います。

とりあえず、概念と呼んでしまうとあまりにも物々しいので、全体をスポット(spot)と呼ぶことにし、その見出しをタイトル(title)、中身をノート(note)と呼ぶことにしましょう。そして、タイトルだけがリスト的に列挙されたものをインデックス(index)と呼ぶことにします。

スポットの種類

そのスポットにもいくつか種類がありそうです。一番極端なものが完全に私の思いつきであり、反対の極端が完全に他の人からのクリップです。そして、その間に、触発されて思いついたあらゆるアイデアがグラデーション的にどこかに位置づけられます。

既存の情報管理ツールでは、このような色味がまったく考慮されていません。すべてが同じものとして扱われているか、逆に「完全に自分」「完全に他人」の二種類しかないものが多いのです。でも、実際は9割引用で自分のアイデアが1割とか、自分のアイデア5割他人の意見5割といったものもあるでしょう。

で、たとえば完全に他人(他人10:自分0)と、かなりの部分他人(他人9:自分1)を、同じものとして扱うのかどうかで混乱が生じます。簡単に言えば、〈かなりの部分他人〉をWebクリップ用ノートブックに入れるのか、〈完全に他人〉をアイデアノートブックに入れるのか、という問題が生じる、ということです。情報をフォルダ的に管理しようとすると、必ずこの手の問題が発生します。

だからもう、いっそのこと、そういう管理は校舎の三階から投げ捨ててもいいのかもしれません。たとえば、自分10を円とし、他人10を四角形とした上で、割合によって少しずつカドを丸めていくだとか、色を変えていくだとか、何かそうした表現で自分:他人の情報割合を表現してもいいのではないでしょうか。ビジュアルツールには透明度というパラメータがありますが、情報管理ツールにも似たようなものがあっていいはずです。

ともかく、情報元が自分発なのか、他人発なのかの情報も、スポットには埋め込んでおきたいところです。

断片の関係性

以上で断片そのものの要素は定義できたかと思います。次に必要なのは、断片同士の関係性です。

断片同士の関係性は、マップのようにリンク(あるいはノード)の形で表現するのがよいでしょう。気をつけておきたいのは、一つの断片は、一つ以上の他の断片を関係性を持ちうることです。一対一の断片もあるでしょうが、それは一つのパターンに過ぎません。むしろ少数例ですらあるでしょう。とりあえず、複数の関係性を持たせられることが必須です。さらに言えば、まだどの断片とも関係性を持っていない断片も扱えることが必要です。

さらにそのリンクは、方向性を明示できると表現力が上がるでしょう。つまりA→Bのようなことが明示できる、ということです。通常のリンクは、対等な関係性を意味させておき、ある断片が別のものに強く従属している(あるいは階層的に下に位置する)という場合には、特別な矢印を持ったリンクでつなぐ、というようにするのです。

さらにそのリンクには、どのような意味合いであるか、という説明があるとなおさらよいでしょう。マップの例で言えば、「インタビューの起こし方」と「原作の血」の話は、もともとあるものにどれだけ手を加えるか、という話で関連づけられているのですが、その話自体は「インタビューの起こし方」の中にあるものでも、「原作の血」の中にあるものでもなく、まさにその関係性そのものの中にあるものです。よって、それも明示しておきたいところです。

言葉を整理しておきましょう。

まず、要素同士の関係性全体をリンク(link)と呼びます。そして、お互いが対等であるリンクをノード(node)と呼ぶことにしましょう。片方がもう片方に従属しているリンクをアロー(arrow)と呼び、自身から他の断片に向かって伸びるアローをフロム・アロー(from arrow)、他の断片から自身に向かって伸びてくるアローをトゥー・アロー(to arrow)と呼ぶことにします。

さらに、そのリンクに添えられる説明をリンクフィックス(linkfix)と呼びます。linkfixもまた、タイトルとノートを持ちます。

より大きな概念

以上で、スポットとリンクは整理できました。ただ1つ問題が残っています。それがマップでいうところの、「断片からの創造」「デジタル作文技術」です。

これらはスポット群を統合する概念とも言えますし、スポットの集合とも言えます。Evernoteではノートブックとして扱われがちな概念ですが、むしろメタ情報の一つとしてタグとして添付しても構わないでしょう。

では、マップ的表現ではどうでしょうか。メタ情報としてタグのような形で埋め込んでしまうと、視覚的にそれぞれのスポットがどういう情報群に位置しているのかがわかりません。検索すればわかりますが、「見ただけ」ではわからないのです。メタ情報によって色分けするやり方も、メタ情報の種類が16個を越えたあたりから破綻し始めるでしょう。このやり方は問題が多そうです。

では、より視覚的に、同一のカテゴリに属するスポットを、より大きな線で囲んでしまうやり方はどうでしょうか。これは一見うまく行きますが、それもスポットの数が少ない時までです。要素の数が500以上になったら、包括線は混乱の極みとなるでしょう。見た目的にわかりやすいとはとても言えないはずです。

さらにより大きな問題もあります。それは、そうした包括的な概念もまた内容を持ち、さらに言えば、それぞれの要素について関係性を持っている、ということです。単純にタグをつけたり、線で括ったりしただけでは、「執筆法としてこの要素は扱えるな」ということが明示できません。

よって、より大きな包括的概念も、スポットの一種(亜種)として扱えるのがよいでしょう。つまり、タイトルとノートを持ち、他のスポットとリンクをつなげられるようにする、ということです。ただし、それが包括的な概念であることは視覚的に区別できるようにしておいた方が良いでしょう。何か特別な四角形を与えるわけです。さらに、その概念に包括されているスポットだけを抽出できる(アウトライナーで言えばフォーカスできる)ようにしておくとさらにGoodです。

名前を整理しておくと、複数のスポットを包括するようなスポットをセット・スポット(set-spot)と呼ぶことにしましょう。セットスポットは、普通のスポットと同じようにタイトルとノートを持ちます。また、他のスポットや、他のセット・スポットとリンクを持てます。もちろん、メタ的にセット・スポットを含むセット・スポットを作ることもできるでしょう。ただしそれはスポットの一種であるので、基本画面では他のスポットと同じように平面に位置されます。

さいごに

以上が、「ぼくのかんがえたさいきょうのアイデア管理ツール」の基本的な要件(主にデータと表現面)です。

断片を扱い、リンクベースで、ビジュアルに重きを置き、さらに概念と包括的概念を同じレイヤーに並べる、というのが一つの特徴と言えるでしょう。リンクに添え字をおけるのも魅力の一つです。

あとはまあ、私にプログラミングの技術があれば……ですね。

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