R-style

Sharing is Power! / Create your own way.

Menu
  • ホーム
  • About
  • メルマガ
  • 著作リスト
  • Evernoteの使い方
  • Scrapboxの使い方
  • Tools
  • お問い合わせ
Menu

アイデアタイムラインが二つあると、自由に動かせた

Posted on 2017 年 5 月 22 日 by Rashita
Tag:
  • Evernote
  • ,
  • Workflowy

以前の記事で、アイデアを整理するために〈じわじわ型〉と〈祭り型〉の二つの方法があると書いた。

アイデアの捨て方 〜Evernote編〜 – R-style
アイデアの捨て方 〜アウトライナー編〜 – R-style

私は基本、というか徹頭徹尾Evernoteに情報を集める生き方をしているので、アイデアに関するノートもEvernoteに集約されているのだが、食料品コーナーで見本的につまようじが刺してあるソーセージみたいな感じでWorkFlowyにもアイデアが書き留めてあって、しかもそれらは、折々に思いつきで入れてあるものだから、階層構造が混乱しきっているという状況があった。

まず、それを整理した。

WorkSpaceは、現在進行中の案件を扱うもの。今の私でいえば、かーそる第二号用の原稿用の構成案などが入っている。こちらは極めて数が少ない。

▶️incubatorは、アイデアを入れるものだ。『アウトライナー実践入門』で示されているように、基本的に二階層(タイトル+本文)の形で、ただただフラットにアイデアが入れてある。

これがまあ、とんでもなく縦に長い。

再生産をまったくしないまま、アイデアノートをフラットに並べるとこうなる。 pic.twitter.com/ab9LLb75hD

— 倉下 忠憲 (@rashita2) 2017年5月21日

以前の記事で書いた、余りに多い項目を途中一切の再生産を挟むことなく、一気に大きな再生産を行おうとするときの弊害がうかがい知れるだろう。このアウトラインの、上の方と、真ん中の方と、下の方に項目が散らばっていたら、実に悲惨なことになる。

しかし、である。

実際にこれくらい長い、かつフラットなアウトラインを作ってみて実感したのは、たとえ長くても、それを「一気に」再生産しようとしなければ、それほど苦は無い、ということだ。たとえば、今日は項目2つくらいを近づける。明日はその中身をちらっと書く、みたいな処理であれば、実に簡単である。でもって、アウトライナーというツールは、そういう細かい作業を心理的に促進してくれる。「まあ、まあ、落ち着いていきましょか」という気分にさせてくれるのだ。

だから、時間がないときは溜めるだけ溜めておいて、週末にちょこちょことアウトラインをいじる(≒再生産する)というやり方でも運用していけるだろう。注意すべきは、それを「一気に」片付けようとするときだけである。

が、今回の本題はここにはない。アイデアタイムラインの多重性がもたらすメリットについてだ。

最初の挫折とその理由

上記のようなことを、以前の私もやろうとしていた。つまり、WorkFlowyにアイデアを溜めて、それをちょこちょこ再生産するやり方を試みようとしていたのだ。「Word Piece」の熱心な読者なら、誰しも一度は試そうとするのではないだろうか。

しかし、そのときはうまくいかなかった。うまくはいえないが、ちょこちょこといじることができない。何かもやもやした感じが残る。たぶん、ツールとの相性の問題だろうと私は思った。結局の所、ツールの個性と私の個性がうまく呼応しないと、道具というのはなかなか使えないものなのである。

が、今回は上記のアウトラインを作ってみて、実にスムーズにことが進んだ。むしろ、それを触るのが楽しくすらあった。この違いは何だろうか。歳を取ったらいつのまにかトマトが食べられるようになっていた、というような経年による私側の個性の変化であろうか。おそらくは違うだろう。

二つ理由があるように思う。一つは、中途半端な増改築を繰り返したせいで、構造が複雑化してしまっていたこと。そのような複雑な階層構造を把握するためには、認知資源が要求される。でもって、そういう状況は認知操作にはあまり適さない。今回ほとんど完全にフラットにしたことで、それが緩和された可能性がある。が、こちらはどちらかといえば補佐的な理由だ。

メインの理由は、恐怖である。今回WorkFlowyでのアウトラインを整理してみて、それを痛切に感じた。

私は普段Evernoteにアイデアを書き留めているので、上記のようにWorkFlowyにもアイデアを集める場合、当然のようにEvernoteからそれらをコピーしてくることになる。もちろん、コピーしたからといってEvernote側のそれを消すことはない(そんなことはありえない)。

つまり、私の手元には二つのアイデアタイムラインができたことになる。Evernoteのノートによるアイデアタイムタインと、WorkFlowyの項目によるアイデアタイムライン。これはなんというのだろうか、実体と参照の関係に近い。簡単に言えば、どれだけWorkFlowy上で項目を動かしても、Evernoteの方には一切影響が無いのだ。そのことが、私の恐怖感を和らげてくれた。

WorkFlowy上で、項目を動かす、あるいは階層をいじる、ということをすると、かなり高い確率で元の状態に戻すことはできない(実際は毎回スナップショットを残すことで可能になるが、細かい話はさておく)。アイデアの断片がどこかに組み込まれてしまうと、元いた場所への帰り道を見失ってしまうのだ。私は、それに恐怖を覚えていた。

もともと断片が持っていた複数の利用可能性が、その時点で限定されてしまう。豊かな文脈が削がれてしまう、というようなほとんど思い込みに近い感覚があったわけである。だから、あまりアウトラインを触りたくなかったのだ。

Evernoteの場合、マージ機能があまりにも貧弱なため(というかデザインがクールではないため)、ノート同士を直接融合させることはない。せいぜい、片方のノートの内容をコピーして、もう片方のノートに貼り付けるくらいである。その場合でも、意図的に削除しない限りは、もとのノートは残る。

さらに、Evernoteではノート表示の順番の任意で入れ替えられない上に、どれだけ編集しても作成日時というタイムスタンプ的刻印が刻まれている。そのことが、私に対しての安心感をもたらしていたのだし、おそらくそれが「細かくアイデアを操作すること」を阻害もしていたのだろう。

アナログノートに書き付けるときの、ある種の安心感はここにある。記述の順列は、私の情報操作にかかわらず決して変わらない。有用な証拠を挙げることはできないが、これは認知的に大きな意味を持っている気がする。固定されているものが、どこかにあるというのは、安心感をもたらしてくれるのだ。

さいごに

とは言え、これは簡単に敷衍できることでもない。

おそらく私は、長い間Evernoteを使い続けることで、Evernoteに適した認知構造を獲得してしまったのだろう。だから、固定されるものが何もない、流動的なものにアイデアをすべて託することが怖く感じられてしまうのだ。そもそもそれが当たり前、という状況であれば何の恐怖も感じないかもしれない。

ともあれ、アイデアタイムラインを二つ持つのは、面白い試みかもしれない。アナログ時代では推奨されないばかりか嘲笑されていただろうが、デジタルツールはコピー容易性が特性でもある。それを最大限活かす方法論があってもよいだろう。

▼こんな一冊も:

アウトライナー実践入門 ~「書く・考える・生活する」創造的アウトライン・プロセッシングの技術~
アウトライナー実践入門 ~「書く・考える・生活する」創造的アウトライン・プロセッシングの技術~

posted with amazlet at 17.05.22
技術評論社 (2016-07-09)
売り上げランキング: 11,431
Amazon.co.jpで詳細を見る
follow us in feedly Tweet
前の記事 次の記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

有料メルマガ配信中!

サークルもやってます

New Book!

すべてはノートからはじまる あなたの人生をひらく記録術

「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)

オススメ本

→これまでの著作一覧
  • →SNS:
  • rashita2 さんのプロフィールを Twitter で表示
  • rashita さんのプロフィールを GitHub で表示

Hot Books!

→紹介記事

→紹介記事

→紹介記事

最近の投稿

  • Scrapboxの2 hop search
  • バトルフィールドはどこか
  • 今更何を書くというのだ
  • WorkFlowyのiOSアプリでキャプチャーする
  • 記憶と記録
  • Evernoteのノートリンクとバックリンク

カテゴリー

  • 0-知的生産の技術 (1,592)
    • BlogArts (123)
    • Evernoteの使い方 (179)
    • Scrapboxの用法 (104)
    • Scrivenerへの散歩道 (22)
    • アウトライナーで遊ぼう (89)
    • プログラミング (11)
    • 執筆法 (45)
    • 断片からの創造 (93)
    • 物書き生活と道具箱 (685)
  • 1-情報ツール考察 (81)
  • 2-社会情報論 (109)
  • 3-叛逆の仕事術 (393)
    • 「タスク」の研究 (261)
  • 4-僕らの生存戦略 (260)
  • 5-創作文 (92)
  • 6-エッセイ (219)
  • 7-本の紹介 (465)
  • コレクション (4)
  • 未分類 (2,836)
    • まとめ記事 (516)
    • 企画 (83)
    • 告知 (264)
    • 感想群 (111)
    • 時事ニュース (1,241)

タグ

#365日の書斎 #AppleScriptでEvernoteを操作する #「目標」の研究 #わりと身も蓋もない話 applescript blog BlogArts CategoryAllegory Dynalist Evernote GTD iPhone・iPad・Mac Logseq Scrapbox Scrivener Workflowy 〈学びの土曜日〉 「本」の未来 『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』 うちあわせCast ささやかな質問 ほぼ日手帳 アウトライナー アナログ道具あそび ショートショート セミナー・オフ会・イベント セルフ・ブランディング タスク管理 ノート ノート術 ポッドキャスト 哲学 思想 思考の技術 情報カード 情報摂取の作法 手帳術 政治・社会 文房具 文章の織り方 新しい時代を生きる力 書評 発想法の探求 経済・金融 電子書籍

アーカイブ

メタ情報

  • ログイン
  • 投稿フィード
  • コメントフィード
  • WordPress.org
  • Links
    • シゴタノ!
    • Lifehacking.jp
    • Word Piece
    • gofujita notes
    • 23-seconds blog
    • iPhoneと本と数学となんやかんやと
  • my favorite articles
    • 1に満たないものを繰り返し足していく
    • 冷蔵庫の裏のほこり

My Works

著作リスト

著作リスト

アーカイブ

カテゴリー

アーカイブ

  • 2023年2月
  • 2023年1月
  • 2022年12月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月
  • 2018年4月
  • 2018年3月
  • 2018年2月
  • 2018年1月
  • 2017年12月
  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月
  • 2017年5月
  • 2017年4月
  • 2017年3月
  • 2017年2月
  • 2017年1月
  • 2016年12月
  • 2016年11月
  • 2016年10月
  • 2016年9月
  • 2016年8月
  • 2016年7月
  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月
  • 2016年2月
  • 2016年1月
  • 2015年12月
  • 2015年11月
  • 2015年10月
  • 2015年9月
  • 2015年8月
  • 2015年7月
  • 2015年6月
  • 2015年5月
  • 2015年4月
  • 2015年3月
  • 2015年2月
  • 2015年1月
  • 2014年12月
  • 2014年11月
  • 2014年10月
  • 2014年9月
  • 2014年8月
  • 2014年7月
  • 2014年6月
  • 2014年5月
  • 2014年4月
  • 2014年3月
  • 2014年2月
  • 2014年1月
  • 2013年12月
  • 2013年11月
  • 2013年10月
  • 2013年9月
  • 2013年8月
  • 2013年7月
  • 2013年6月
  • 2013年5月
  • 2013年4月
  • 2013年3月
  • 2013年2月
  • 2013年1月
  • 2012年12月
  • 2012年11月
  • 2012年10月
  • 2012年9月
  • 2012年8月
  • 2012年7月
  • 2012年6月
  • 2012年5月
  • 2012年4月
  • 2012年3月
  • 2012年2月
  • 2012年1月
  • 2011年12月
  • 2011年11月
  • 2011年10月
  • 2011年9月
  • 2011年8月
  • 2011年7月
  • 2011年6月
  • 2011年5月
  • 2011年4月
  • 2011年3月
  • 2011年2月
  • 2011年1月
  • 2010年12月
  • 2010年11月
  • 2010年10月
  • 2010年9月
  • 2010年8月
  • 2010年7月
  • 2010年6月
  • 2010年5月
  • 2010年4月
  • 2010年3月
  • 2010年2月
  • 2010年1月
  • 2009年12月
  • 2009年11月
  • 2009年10月
  • 2009年9月
  • 2009年8月
  • 2009年7月
  • 2009年6月
  • 2009年5月
  • 2009年4月
  • 2009年2月
  • 2009年1月
  • 2008年12月
  • 2008年11月
  • 2008年10月
  • 2008年9月
  • 2008年8月
  • 2008年7月
  • 2008年6月
  • 2008年5月
  • 2008年4月
  • 2008年3月
  • 2008年2月
  • 2008年1月
  • 2007年12月
  • 2007年11月
  • 2007年10月
  • 2007年9月
  • 2007年8月
  • 2007年7月
  • 2007年6月
  • 2007年5月
  • 2007年4月
  • 2007年3月
  • 2007年2月
  • 2007年1月
  • 2006年12月
  • 2006年11月
  • 2006年10月
  • 2006年9月
  • 2006年8月
  • 2006年7月
  • 2006年6月
  • 2006年5月
  • 2006年4月
  • 2006年3月
  • 2006年2月
  • 2006年1月
  • 2005年12月
  • 2005年11月
  • 2005年10月
  • 2005年9月
  • 2005年8月
  • 2005年7月
  • 2005年6月
  • 2005年5月
  • 2005年4月
  • 2005年3月
  • 2005年2月
  • 2005年1月
  • 2004年7月
  • 2004年6月
  • 2004年5月
  • 2004年4月
  • 2004年3月
©2023 R-style | WordPress Theme by Superbthemes.com