第四の習慣:最高1つまでのタグ
Evernoteでは、作成したノートにタグを付けられます。しかも、複数のタグを付けられます。
原理的に言えば、一枚のノートには可能な限りのタグを付けておくほうが、情報活性度は向上するでしょう。結局のところタグ付けというのは、検索で情報が引っかかるフックを増やす行為だからです。
しかしながら、導入直後の時点では、あまり複数のタグを付けるのはお勧めしません。せいぜい一個まで、あるいはまったく無し、というのがよいかと思います。
なぜかと言えば、第一に、ノートの数が少ないうちはそれでも十分にノートを見つけ出せるからです。500程度のノートならまったく問題ありません。必要ないなら付けるな、というのはきっとオッカムさんも頷いてくれることでしょう。第二に、初期の段階からあまりにたくさんのタグを付けすぎると、混乱するからです。自分がどんなタグを作ったのかを思い出せなったり、似たようなタグをたくさん作ったりしてしまいます。
このことの問題は、単にタグの数が増えすぎることだけでなく、そもそもそのタグにどんな意味合いを設定したのか(≒どういう情報ならばこのタグを付けると決めたのか)がわからなくなってしまう点にあります。その意味合いがわからないと、あとからそのタグを利用することができません。「こういう情報にはこのタグを付ける」という規則があってこそ、「こういう情報はこのタグを手繰れば見つかるはず」という結果に信頼が持てます。タグの意味合い的な混乱はこれを阻害するのです。
ですので、最初の段階では極力タグ付けは抑制した方が良いでしょう。むしろ、ノートを作っていく中で、似たような情報がいくつも集まってきて「これはタグがついていた方が便利だな」と思ってから作る、くらいで十分だと思います。
たとえば、Webスクラップを続けていくうちに、電子書籍系の話題が増えたとしましょう。そうしたらそれぞれのノートに「電子書籍」というタグを付け、以降からスクラップする電子書籍系のノートにはそのタグを付ける、といった運用です。
もちろん、そうはいっても付けていればタグは増えていき、混乱は少しずつ広がっていくので、定期的にタグを整理する作業も必要でしょう。ただ、それは少し先の作業で良いかと思います。
ノートブックのタグリスト
タグの数を抑制しておくことには、一つのメリットがあります。
Evernoteにはノートブックからのタグによる絞り込み機能があります(Mac版)。
この機能によって、ノートブック内に存在しているノートについているタグが一覧できるのですが、タグの数が多いとこの一覧表示も増えてしまい、何がなんだかわからなくなります。逆に抑制しておけば、この表示を見ることで、「これまでの自分が使ってきたタグ」を把握できます。「そうか。このノートブックでは、こういうタグを運用していたんだな」ということが思い出せるのです。
この状態を破綻させないためにも、初期の段階では、1つのノートにせいぜい1つまでのタグ、という指針を持っておく方が良いでしょう。もちろん、タグ付けに馴染んできたら新しいタグを増やすのはまったく構いません。あくまで初期の段階の抑制、ということです。
入力補助
もう一つ、タグが持つ意味合いを固定させたい場合は、接頭辞をうまく使うのがコツです。
たとえば私は、以下のような接頭辞を付けたタグを使っています。
@
■
▼
○
.
≪≫
それぞれ、
@ →プロジェクトに参加している人の名前
■ →企画名
▼ →GTD関連タグ
○ →終了企画名
. →写真につけるタグ
≪≫ →コンテキストタグ
という特別な意味合いを持っています。
このようにしておくと、「そうだ、このノートには企画名のタグを付けておこう」と思った際に、■を入力すればEvernoteが候補名をアシストしてくれるので、時間短縮につながりますし、また表記の揺れ問題も防げます。
上記のようなルールも便利なのですが、最初からいろいろ増やそうとするとまず間違いなく混乱するので、何か一つくらいの接頭辞から使い始めてみると良いでしょう。
その際は、「頻繁に使うタグ」(作業効率化のため)か「たまにしか使わないタグ」(物忘れ対策)のどちらを選ぶのがよいかと思います。
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