第五の習慣:限られたノートブックで
Evernoteにおけるノートブックは、ノートの所在地です。「どこにノートがあるのか」の、「どこに」を担当します。
さまざまなEvernoteの活用事例を見てみると、そこにはたくさんのノートブックが並んでいることでしょう。それを真似して、自分でもいくつかのノートブックを作ってみたくなります。しかし、導入当初は、むしろできるだけ数を限ったノートブックで運用していくのがよさそうです。
新居に引っ越してきました。「よし、そうだ。きちんと整理しよう」と、100個も引き出しがある棚を導入したとします。そこに、思いつくままに小物を収納していく。さて、後になってどこに何が入っているのかを思い出せるでしょうか。かなり難しいと思います。
ほとんどノートがない状態にもかかわらず、「あらかじめ」ノートブックをたくさん作ってしまう、というのは上のような状況です。見た目としては一見すっきりするのですが、それぞれのノートブックがどんな役割を担うのかがわかっていないので、うまく使うことができません。
極端なことを言えば、Evernoteは何もノートブックを作らなくても(≒新規ノートブックを作成せずに、最初からあるノートブック1つだけで運用していっても)使うことができます。これは本当です。
でも、そこに100個なり500個なりノートが入ってくると、多少不便になります。その「不便さ」を解消するためにノートブックは存在します。ノートブックがあるから「整理」できるようになるわけではありません。不便があって、それを解消する手段がある。そのような対応を忘れて、むやみやたらにノートブックを作っても、あまり良いことはないでしょう。
原初/分裂
理想的なことを言えば、たった一つのノートブックから始め、「あっ、Webクリップが増えてきたな。これはちょっとわけておきたい」と思ったときに、新しいノートブックを作り、そこにWebクリップのノートを移動させる、というような手順で進んでいくのが良いでしょう。少なくとも、現実に自分はそういうノートを集めてきた「歴史」があるわけですから、今後もそのノートブックは使われていくでしょう。
また、そうして最初のノートブック(原初ノートブックとでもいいましょうか)から、新しいノートブックが分岐すれば、原初ノートブックはいわゆるinboxとなります。ノートブックに機能が宿り始めるのです。
もちろんそのまま二つだけのノートブックで運用してもいいですし、アイデアメモだけを保存する別のノートブックを作っても良いでしょう。Evernoteに集める情報が多岐にわたればわたるほど、ノートブックの数は増えていくものですし、増えていっていいものです。
ただし、普段はやらためったらノートブックを増やすことはせず、むしろ抑制的な感じで振る舞い、ノートが増えてきて別にわけないとどうしょうもないな、という感覚が生まれてきたら新しく作る、というくらいがちょうどよい塩梅となるでしょう。
とは言え、世の中には「実験好き」な人がいて、そういう人は「使うかどうかわからんけど、ちょっと作ってみるか」と新しいノートブックを作ることもあるかと思います。それはそれでわざわざ止めるものでもないかと思います。そうして作ったノートブックの感触を自分で確かめて、修正するような行動が織り込まれているのならば、実験は大いに有用です。
が、そうした織り込みがなく、単に作るだけ作ってほとんどノートが増えないノートブックが乱立し、あげくのはてにどこになにが入っているのかわからなくなって、「Evernote使いにくい」となってしまうくらいならば、なるべく抑制的に振る舞った方がよいでしょう。
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