まとめ
これまでEvernote入門者のための〈七つの習慣〉を紹介してきました。
- 第一の習慣:ノートを増やす
- 第二の習慣:できれば一カ所に
- 第三の習慣:断片的なノート作り
- 第四の習慣:最高1つまでのタグ
- 第五の習慣:限られたノートブックで
- 第六の習慣:自動取り込みも活用
- 第七の習慣:見る・読む・検索する
概略すればこうです。
Evernoteを情報の拠点として、そこに情報を保存していくようにする。その際、自分が使う単位で1トピック1ノートの形にしておく。ノートブックはあまり増やさず、タグもせいぜい1つのノートに1つくらいにする。必要を感じたら増やすのは構わないが、そうでないならばむやみに増やすのは控える。
Evernote外からのノートの作成も利用すれば情報の保存の速度は飛躍的にアップする。しかし、自分にとって意味のない情報を増やすことに躍起になっては本末転倒。そうして、保存した情報を、おりをみて見返したり、検索して利用する。そうした実際の利用体験をノートサイズやノートブック、タグの付け方などにフィードバックし、さらにノートを増やしていく。
つまり、第一〜第六までの習慣は、Evernote利用のスタートとなる習慣であり、第七の習慣によってそれがぐるりと一周回るようなイメージです。簡単に言えば、小さく限定的に始めて、情報を利用しながら、保存の構造を徐々に構築していく、となるでしょうか。こういう形を取らずに、「完成形」をまるまるコピーするような利用の仕方をしてしまうと、Evernoteの情報構造についての自分の認知が追いついてくる前に、利用するのが嫌になってきます。厳しい師匠と弟子、のような情報伝達フォーマットならばそういうやり方でも一定の成果が挙げられるのかもしれませんが、個人ユースの情報管理ツールではなかなか難しいでしょう。
ポイントは、実際に自分が使ったときの感覚を整理の構造にフィードバックさせることです。それを続けていれば、間違いなくEvernoteは使いやすくなってきますし、またそうすることで「自分なりのEvernote」にも仕上がっていきます。でもって、それには時間がかかります。
なにせすでに10年近く使い、7万に近いノート数になっている私ですら、ときおりノートブックやタグには変化があります。それくらい完全に固定するのは難しいものなのです。というのも、私の情報利用の形が年を追って変わっているので、Evernoteの構造も変わらざるを得ないのです。むしろ、そうやって経年的な情報利用の変化に合わせて、構造を変えられるEvernoteのすごさ、という点は注目に値するでしょう。普通のノートやスクラップブックではこうはいきません。
しかしながら、揺れる足場の上でジャグリングするのは難しいものです。さまざまなものを大がかりに一気に始めてしまうというのは、まさにそういうゆらゆらジャグリングなのです。なので、小さく限定的に足場を固めていくのが良いでしょう。逆説的ですが、そのやり方こそが、変化を続けていけるたった一つの冴えたやり方となります。
さて、以上で「Evernote入門者のための〈七つの習慣〉」の紹介はおしまいです。似たような話はこれまでもどこかでなされてきたかと思いますが、本稿のポイントは、やはり第七の習慣「見る・読む・検索する」によるフィードバックにあります。これは「情報を利用しているときの自分の感覚を情報として利用する」というもので、一種のメタ情報利用とも言えるでしょう。
どうあがいても情報利用の構造を変えられないツールならば、そんなものはまったく必要ありませんが、自分用にカスタマイズできるツールではメタ情報利用は必須となります。おそらくこれは、Evernote以外のツールでも適応できる話でしょう。
情報を利用しようとしている自分に注意を向けること。そして、それに合わせて構造を変えていくこと。
これが肝になるかと思います。それでは、皆様楽しいEvernoteライフを。
(了)
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