選択肢とコミットメント

たとえば、あなたに複数の才能があったとしましょう。音楽もちょっとできるし、絵画もちょっとできるし、ダンスもちょっとできる。そういう状況で、「よし、自分は音楽一筋で生きていくぞ!」と決めるのはなかなか簡単ではありませんね。なんとなく、気移りというか、「別の可能性」みたいなものに思いを馳せたくなってきます。

でもって、「よし、自分は音楽一筋で生きていくぞ!」という思いは──そういう言葉を実際に口に出すかどうかは別として──、〈コミットメント〉と言えます。それ以外の選択肢を採らないことを、自分自身に誓約する。そうですね。「HUNTER×HUNTER」のクラピカの誓いのようなものです。

できることは他にもある。でも、あえてそれをやらないという選択肢を自分で選ぶ。一つに専心すると決める。たくさん並んでいる扉の一つに手を掛け、その他の扉の鍵は根こそぎ捨ててしまう。そうすることで、人は大きな力を得ます。具体的には、認知資源が削減されますし、時間的(あるいは金銭的)投資が一カ所に集まるので、能力的な成長も見込めます。

もちろん、それをやり過ぎると、「卵を一つの籠に盛る」ことになってしまい、博打感が強まってしまうのですが(※)、「自分」というリソースをいかに使うのか、ということを考える上で、このコミットメントは大切になってくるでしょう。
※そもそも「生きることは博打である」と言えるかもしれません。

でもって、タスクリストです。

『タスク管理の用語集』では、たびたび「今自分がする(べき)ことはこれなのだ」という感覚を持つことの重要性に触れました。これは結局、超短期間におけるコミットメントの決定、ということです。

あやふやな状態の〈やるべきことリスト〉がたくさんあると、どれもが気になって、なかなか一つに手がつきません。うまく集中できないばかりか、なかなか取りかかれないことすらあります。迷うばかりで、何一つ進捗しないのです。

限定的なタスクリストを作り、それを上から順番にこなしていく、という行為は、たいへん不自由に感じられますが、それをコミットメント成立の観点から見れば、有用性の高さがうかがえるでしょう。ともかく上から順番にやっていく、という指針はかなり重要です。おもいのほか、バリバリとタスクが進みます。
※ただし、そのためにはきちんと実行できるタスクリストを作っておく必要はあります。

タスクの選択において、選べる感覚が1mmも存在してはいけないとは思いません。さすがにそれは人を鋳型にはめすぎでしょう。しかし、選べる感覚が強すぎると、結局人は何も選べなくなるのではないかとも感じます。もし、選べていない状況が続いているのならば、選択肢そのものを減らした方がよいでしょう。

それは何も、タスクに限ったことではないわけですが。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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