「自分の仕事」を見定める

真綿で首を絞めてくるような暑さの三条通を上がり、ひやりと空調の効いた喫茶店へと入る。ブレンドを注文し、ほっと一息。紙を広げ、ペンを準備する。

さて、自分はこれからどういう本を書いていくのだろうか。

そんなことを考えるのは、文章よりもマインドマップ的なものが向いている。長々とした記述よりも、フレーズを瞬間的に掴まえ、それを連鎖させていくのだ。3年にも及ぶ月くら計画では、(あと2冊残っているが)、いろいろな本を作ってきた。それ以外のアウトプットも、いやになるほど(実際にはならないけど)生んできた。それらの中で、たしかな感触があったものはどれだろうか。自分の中にたしかな実感が残り、かつ他者への貢献がきちんとできたものはどれだろうか。

自分が満足していなければ続けられないし、かといって自己満足だけでは商売にはならない。うまく重なるところを見つける必要がある。その重なるところこそが、これからの私が書いていくこと、注力していくべき地点になるはずだ。そして、40歳という一つの大きな節目に向けて、何か自身の軸となるコンテンツを固める目標にもなるだろう。

つまり、「自分の仕事」を見定めるのだ。

今さら白紙の状態で何かを始めることはできない。否が応でも自分が蓄積してきたものがものをいう。そして、だからこそ他の誰でもない「自分の仕事」がそこに生まれる。自分が好んでいること、自分が見聞きしてきた情報、自分が接してきた人たち。そうしたものが「私」の背後にはある。それらをすべて受け止め、ひっくるめた上で、「自分の仕事」を見定める。

人間には、たしかにいろいろな可能性があるのだろう。でも、どこかの時点で、それらの中から選ぶことをしなければならない。「自分の仕事」を見定めることは、「自分の仕事」にしないことを見定めるということでもあり、つまりそれは何かを諦める、捨てるということでもある。

「本当なら、自分はもっと……」という幻想は甘美であり、手放すのは辛い。でも、結局はそこからしか始まらないのだとも思う。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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