6-エッセイ

「ただより高いものはない」

さて、どれだろう。

その1:タイムイズマネー

無料なものは質が担保されていない。つまり時間の浪費につながる。人間が持ちうる中で一番貴重な資源は時間である。よって、無料なものはその資源を浪費させてしまうという意味においてもっとも高価である。

その2:トロイの木馬

人は、無料のものなら簡単に受け取る。簡単に、というのは、よく疑いもせず、ということだ。逆に言えば、無料で配る方は、そこに何でも仕込むことができる。無料であるがゆえに、そこには際限がない。そんなものを受け取るのだから、無料なものは高くつく。

その3:エコシステム

無料なものは、そのままでは利益を生まない。皆がそれを選ぶことで、その商品から直接利益を生み出すエコシステムが壊れてしまう。そして、それは二度と修復することができない。結果的に、我々の手に入るのは、無料でしか生み出せないものに限られる。代替不可能なエコシステムの棄損という意味で、無料なものは非常に高くつく。

どれもかもしれない。あるいは、ぜんぜん別のなにか。

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