心の不安定を抑えるのだとして
それをコンクリで固めてしまうのは
どうだろう
たしかにもうそれは
二度と動揺しないかもしれないが
もとあったものとは
まるで別物だろう
■
不安定さを楽しめれば一番だが
それはそれで難しい
だから単にそれと生きていく
やれやれしゃーないなと受け入れる
そういうものだと諦める
別段それで不幸というわけではない
ただ心が揺れているだけだ
ただ心が揺れているだけだ
風のように 雨のように
木々のように 獅子のように
■
落ち着いているのと、固まっているのは同じではない
変化に対応できるのと、変化を拒絶しているのはまるで違う
■
不安から逃れようとすることそのものに不安が潜むとき
逃れられない檻が生まれる
極端な楽観にすがるのもまた、不安の表れにすぎない
不安についての不安がそこに鎮座している
それ以上はどこにもいけない
■
光が差せば、影が生まれる
不安また そのようにして 私のそばにある
影をコンクリで固めることはできないし
私をコンクリで固めれば窒息してしまう
■
無理に考えをねじ曲げようとしないこと
決断的な思い込みで、心を上書きしないこと
揺れる心と共にあること
近づきすぎず 遠ざかりすぎず
揺れる心と共にあること