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書評 仕事するのにオフィスはいらない(佐々木俊尚)

「仕事するのにオフィスはいらない」(佐々木俊尚)を読んだ。タイトルからして非常に心引かれる。

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)
光文社
発売日:2009-07-16
発送時期:在庫あり。
ランキング:190
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 仕事するのにオフィスはいります。。
おすすめ度5 新時代の働き方指南(WEB編)として最良著
おすすめ度4 今後のワークスタイルを「見える化」した好著
おすすめ度5 クラウド利用で仕事を進める人に有益な知識が満載

「ノマドワーキングスタイルのすすめ」がサブタイトル
帯は「スマートフォンとクラウドが新しい働き方を可能にする」
iPhoneを手に入れて間もない私にはひどく魅惑的な響きである。

私が読んで感じた要点は3つ

「ノマドとは?」「ノマドワーキングスタイルに必要なもの」「新しい会社の形」

ノマドとは?

単純に日本語訳すれば「遊牧民」。それを一定の会社や場所に縛られずに仕事をするというスタイルを持っている人々のことを指す言葉として使われている。

ノマドよりはノーマッドといった方が通りが良い、という方はロマサガプレイヤーであろう。

ノマドに関して本書で出てくる定義をいくつか持ち出せば

「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」といったワークスタイルを実践している人たちのことです。(p4)

「テクノロジーで武装したフリーランサーたち」(p22)

となる。そしてそのノマドは3つの要素に支えられている。
その3つとは「ブロードバンド」、「クラウド」、「サードプレイス」

高速なネット環境、コンピューターではなく大型サーバーによるデータ管理およびアプリケーションの提供を無料あるいは格安で行うクラウド、そして作業をする場所を提供するサードプレイスがノマドが存在する可能性を生み出している。

これらにより、場所に限定されず、高速で、かつ安価に仕事を行うことができる。それはサービスの開発であったり、あるいはコンサルタント業務であったりと特定の業務に限定されるわけではない。しかしホワイトワーカー的な仕事であることは前提条件だ。

これらの要素が整えば「会社に縛られない仕事」を実現できる可能性が生まれる。

それはテクノロジーとフリーランサーという二つが結びついて、今までの会社の概念では考えにくかった働き方が生まれているという状況でもある。

ノマドワーキングスタイルに必要なもの

これに関しては2つ上げられる。一つはセルフコントロールでありもう一つはクラウドだ。

セルフコントロールに関しては本書より1行引用すればそれで事足りるだろうと思う。

「セルフコントロールができないタイプの人は、ノマドワークスタイルには向きません」(p27)

会社に縛られない代わりに自分自身をコントロールする必要がある。そしてそれが出来なければ「ノマド」と言ったところで何の獲物も得られないまま朽ち果てていくだけだろう。

もちろん本書でもそのコントロールの方法についていくつか紹介されている。
このあたりはライフハック的なものもあるので興味のある方は直接読んでいただきたい。

クラウドに関してはノマドを支える3要素でも上げた。
そしてそのクラウドをどう使いこなすかということがノマドには求められている。

クラウドサービスも多種多様存在する。どのようなツールが効果的なのか、そのツールはどう使うのかをきちんと身につける必要がある。高度なコンピュータの知識は必要ないがそれでも全く何も知らない、では手も足も出ないだろう。
この本で紹介されているのは定番中の定番であるので一通りチェックしてみても良いと思う。

新しい会社の形

私が特に興味を引かれた部分である。本書では特別章立ててあるわけではないが、例えば次のような文章がある。

ごくわずかなコアメンバーだけを残して、後はすべてフリーランス・・・・・・そうすればその次には全員がフリーランスのような会社だって可能になってくるのではないでしょうか?(p21)

単に個人がノマドとしての働き方を身につけるということから拡がって、今後の会社の中でノマドに合わせたシステムが生まれる可能性も無いとは言えないだろう。
企業は終身雇用的雇用を減らすことにより人件費を減らす。そしてプロジェクトに合わせた人材を必要なだけよそから持ってくる。
働く側は自分の能力や都合に合わせてプロジェクトを選び参加する。両者の思惑がうまく合致したシステムである。

すばらしく理想的な姿に見えるシステムだが、今の日本ではとても不安定に感じられるだろう。社会保障のシステムがそれを支えるようにはできていないから当然だ。

しかし、今後、もし日本の雇用体系というものが変化していくのであれば、ホワイトカラーこそがもっともその影響を強く受けることになるだろう。
もし強い荒波がやってくるならば、自分自身で泳ぐ能力を身につける必要がある。

どのような「仕事のスタイル」が自分に合っているのかをそろそろ真剣に考えてみてもよいのではないだろうか。

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