先日、シゴタノ!で「フレキシブルノート術」なるものを公開した。
二種のモードを使い分けるフレキシブルノート術 | シゴタノ!
最近の私のノート利用方法を簡単に体系化したものである。実はこれは、自分の中ではなかなか新しいと思っていて、この内容で本を書こうと思っているのだが、当面別のコンテンツにかかりきりになりそうなので、とりあえず大まかなところを記事で紹介した、というわけだ。
でもって、反響も頂けた。
倉下忠憲氏のフレキシブルノート術について | 知的生活ネットワーク
何がフレキシブルなのかと言うと、時系列にメモを並べていくタイムラインノートと、考えを深めたり広げたりするためのスプレッドノートが1つのノートで展開され、柔軟にページを分かち合っているというところです。
フレキシブルノート術の白眉は、もちろんそのフレキシブルさにある。でもって、このノート術は、実は「Bullet Journal」から強いインスパイアを受けている。
Getting Started – Bullet Journal
バレットジャーナル公式サイト「入門ガイド」日本語訳 | わたしのバレットジャーナル
箇条書きで予定を管理する手法は山ほどあるのだが、「Bullet Journal」の面白いところは、必要なページを随時ノートに追加していく点だ。基本はデイリーのページで、月が替われば月間のページが作成される。買い物リストや読みたい本リストなどを追加してもいい。
最初の1ページに記入し始めたときには、そのノートが最終的にどんなページ構成になるのかはまったく決まっていない。書き込みながら、動的に決まっていくものなのだ。私はこの点に、「Bullet Journal」の中心的構造を読み取った。そしてそれを換骨奪胎した。
別に一つのノートに複数のフォーマットが混ざっていてもいい。そもそも、Evenroteなどのデジタルノートでは当たり前のようにそれをしているではないか。その思想をアナログノートにも移植してやればいいのだ。
あとは、普段自分が頭の中の情報をどのように出力しているのかを観察すればいい。そこから導かれたのが二つのフォーマットである(詳しくはシゴタノ!の記事を参照されたい)。こうして「フレキシブルノート術」が完成した。
(実は、「スプレッドノート」の用途はさまざまあり、そこに私のノート術の知見が詰まっているのだが、それはまあ(もしかしたら書かれるかもしれない)書籍に期待するとしよう)
今回の話のポイントはこうである。
「動的に構造が決まっていくものが持つ柔軟性」
「一つのノートに複数のフォーマットが混在できる可能性」
このような視点を持てば、さまざまなノート術を俯瞰できるメタ・ノート術が生まれてくる。実際このフレキシブルノート術は、ほとんどあらゆるノート術を飲み込むことができる「最強のノート術」なのである。なにせ途中のページにマインドマップを描いても、三本線を引いても、板書ノートを書いても、アイデアマラソンをしても構わないのだ。
ごった煮である。
でもまあ、頭の中の構造がもしそうなっているならば、それに相応しい情報的器が必要になるであろう。