ブログでどんなことを書くのか

以下の記事を読みました。

#ブロフェス2017 にお邪魔してきました! – 佐々木正悟のメンタルハック

今日こそ、たまたブロフェスさんのロゴを拝借させていただきますが、今後も当ブログでは、きれいな写真は掲載されないでしょうし、手書きの図も載せることはほとんどないでしょう。キーワードをSEOに合わせてリライトすることもしませんし、現地(とはどこだ?)に足を運ぶことも、誰かに取材することも、ほぼ皆無だと思われます。

気になったのは、「現地(とはどこだ?)」というフレーズ。たとえば、当ブログが書くような記事の「現地」ってどこにあるんでしょうか。

上に引いた記事であれば、「ブロフェス2017」の会場に行った体験が語られているとは言え、その実、記事に表出しているのは紛れもなく著者の思考でしょう。「どんな出来事がそこにあったのか」はメインではなく、「そこでどんなことを考えたのか、感じたのか」が中心に展開されています。つまり、著者の「頭の中」が記事の現場です。そして、その文脈において、上の記事は「掘り下げられて」います。

ここでふと思います。私はこの記事を、「思索ブロガーにとっての現地は頭の中なのだから、リアルな場所にこだわる必要なんて全然ない」みたいなことを言おうとして書き始めたのですが、実際重要なのは、「掘り下げる」ということではないだろうか、と。

しかしいろんな方とお話しするうちに、どうやら「掘り下げて書く」というのは、テーマによっては自動的にできている、と言うより、自動的にそれができない限り自分はブログ記事を書くことをしてない、という感じがしてきました。

おそらくこの「自動的」というのが結構重要で、そこには何かしらの認知的なパターンが発生し、そこから分析が駆動しているのだと想像できます。たとえば、私は小売店や飲食店に入ったら、まずお客さんの動線がどうなっているのか、店舗面積あたりのスタッフの数はどのくらいか、メニューの平均価格帯はいくらか、利益を取る商品はどれだろうか、みたいなことがぱっと頭に浮かんできます。そういう「分析」が頭をついてしまうのです。でもってこれは、「掘り下げて」いることになるでしょう。

本を読むときにも、(分析のパターンは違いますが)同種の思考が働きますし、新しいゲームと出会ったときも同じです。すべてではないにせよ、そういう対象はいくつかあるわけです。

で、そんな対象ならば(多少大げさですが)いくらでも記事が書けますし、むしろ書きたいという気持ちが強く湧き起こります。

人に請われて記事を書くことを生業としている場合であれば、自分の自発的な「掘り下げ」が発生する対象でない場合でも、意識的に「掘り下げ」を行うことが求められるでしょうし、熟練してくれば、それもまた一つの自発的なパターンとして吸収されるでしょう。そこは鍛錬あるのみです。

が、そういう生業でなかったり、あるいはそういう場所を目指していないのであれば、ブログでは、自発的に「掘り下げて」しまうようなことだけを書いていればいいんじゃないかな、と思います。たぶんそれが、「好きなことを書く」ということの、実際的な形でしょう。

私はコーヒーを愛飲していますが、どんなコーヒーを飲んでも別段掘り下げは発生しません。せいぜい「熱い」か「ぬるい」と感じるくらいです。いくらコーヒーを好んでいても、そのような状況では何かを書くことなど不可能でしょう。

しかし、一方ではネチネチと考えたり、みっちり分析したり、いろいろ妄想したり、わけわからない組み合わせを生み出したりする対象はあります。そういう対象であれば、記事を書くことは(そうでない対象に比べれば)楽になりますし、たぶんその人なりの何かも出てくるのではないでしょうか。

でもってこれは、『ブログを10年続けて、僕が考えたこと』で書いた、「ついつい当事者性を持ってしまう対象」のパラフレーズなのだ、ということに気がつきました。ついつい当事者性を持ってしまう=自動的に掘り下げてしまう、そういう風に言えるのかもしれません。

で、そうした対象についてブログなどに書いていくと、おそらく二つの効能が生まれます。一つは、その偏りを自分で受け入れられるようになること。もう一つは、その偏りがより尖っていくこと。前者はおそらくメリットでしょうが、後者はやり過ぎると弊害もあるかもしれません。その辺のバランス調整がうまくいかないと、メンタル的にやばいことになるか、周りから孤立することになってしまいます。注意が必要です。

とりあえず、人気ブロガーやプロのライターを目指すのでないなら、自分がついつい掘り下げてしまう対象についてだけ書くのがほどよい距離感と言えるかもしれません。

ただし、掘り下げていることすら自覚していないことが多いので、当初はいろいろ手を出して、書きやすさと手応えの感触を確かめてみる必要はあるでしょう。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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