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これからの日本で生きる個人と企業

最近読んだ3冊の本が微妙にリンクして、私の頭の中でミックスジュースになっている。

ちょっと整理する意味でも短めにまとめてみたい。

モノづくり幻想が日本経済をダメにする―変わる世界、変わらない日本
ダイヤモンド社
発売日:2007-10-27
発送時期:在庫あり。
ランキング:36769
おすすめ度:3.0
おすすめ度5 化石化する日本の製造業への警鐘
おすすめ度1 今となってはお笑い本
おすすめ度1 あまりに偏った意見
おすすめ度4 ないものを見る力
おすすめ度5 日本経済界へのカンフル剤となるか?

「モノづくり幻想~」では「日本の産業構造を根本的に改革する必要性」が主張されている。

2007年あたりに書かれた本だが、2009年の今でも日本経済そして産業に明るい兆しは見えてこない。日経平均は回復しつつあるがそれは循環的なものでしかない。
今後、大きな成長を望むならばそれに見合うだけの変化が必要だろう。そしてそれは過去の「古き良き日本」に戻る、という事では決してないはずだ。

「モノづくり幻想~」の中で日本の電子政府がいかに進んでいないか、ということがアメリカの場合と比較されている。もちろんその現状を笑うのは簡単だが、単に政府周りの仕事が簡略化するということだけがIT革命がもたらしたものではない。

それは個人の仕事のあり方さえも変えてしまう可能性がある。

通信コストが激減したことにより、企業はさまざまな仕事をアウトソーシングしている。そしてそれがグローバルに賃金を平衡化していく流れは今後もとどまることは無いだろう。

多くの日本企業が停滞していく場合でも、リストラクチャリングから個人が引き受けられる仕事が出てくる可能性がある。あるいは海外の企業のアウトソースもある。
会社は多くの人員を抱えなくても、仕事を引き受けるフリーランスがいればプロジェクトを動かして行くことができる。会社に必要なのは本当にコアな部分に携わる人間だけでよいのだ。

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)
光文社
発売日:2009-07-16
発送時期:在庫あり。
ランキング:118
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 仕事するのにオフィスはいります。。
おすすめ度5 新時代の働き方指南(WEB編)として最良著
おすすめ度4 今後のワークスタイルを「見える化」した好著
おすすめ度5 クラウド利用で仕事を進める人に有益な知識が満載

仕事をする個人の視点に立てば「仕事するのにオフィスはいらない」で紹介されているようなノマドワーキングスタイルというものが必要になってくる可能性がある。
というよりも、そういった仕事のやり方ができれば、少なくとも一つの選択肢を持つことができる。
一体誰が沈没する船に最後まで乗っていたいだろうか?

信頼の構造―こころと社会の進化ゲーム
東京大学出版会
発売日:1998-05
発送時期:在庫あり。
ランキング:94653
おすすめ度:4.0
おすすめ度5
おすすめ度2 信頼VS安心なのか?
おすすめ度5 現代社会の構造がわかる。

そしてそのノマド的な仕事スタイルをこなす人間にとっても、外資に開かれた市場でビジネスを行う企業にとっても「信頼の解き放ち理論」は重要な意味を持ってくる。

「信頼の構造」で主張されているメッセージは「集団主義社会は安心を生み出すが信頼を破壊する」ということだ。

今までの日本は極端な安心社会であった。それは企業でも個人でも同じである。

海外企業との競合を気にすることなく、政府の管理下に置かれた銀行とそのバックアップを受ける大企業。零細企業は大企業の系列に入り一定の仕事量はもらえた。

個人は終身雇用ということで一つの企業に「骨を埋める」覚悟で働く。年齢を重ねるたびにあがる給料とボーナス、そして退職金。完全に設計通りに進んでいく会社人生によって、安心して大きな住宅ローンを組むこともできたし、子どもを大学にいかせることもできた

単に賃金が安定してもらえるだけでなく、会社の肩書きを背負うことで社会の一員の証を手に入れることができるというおまけ付き。

これは「安心社会」の理想的な体現であっただろう。

しかし、今の日本において企業の場合でも、個人の場合でもそのような安心は存在しない。
一部の企業においては、あるいは既得権益に属する個人の場合は、まだその様な安心の果実にありつける人もいるかもしれない。しかし逃げ切れる人はどんどん少なくなってきている。

長らく安心社会に生きてきた日本人の多くは、安心と信頼の違いも分からなければ、信頼と信頼性の違いも分からない。

「どのように人を信頼するか」「どのようにして人に信頼されるか」というのは不確実性が高く、機会コストが多き社会においては重要な意味を持つ。そしてこれからの日本社会は確実にそういった社会に向けて進んでいくだろう。

信頼を上手く使いこなし、閉じたコミットメントの外側へと関係性を広げていける存在が大きなチャンスを手にすることができる。そしてそれが出来ない存在はタイタニック号を例えに持ち出すしかなくなる。

おそらく日本という国家、その中にある企業、そしてそこに生きる個人が抱える問題というのはフラクタルな構造をしているのだろう。
これからの社会について考えることと平行して個人がどのように生きていくのか、ということも真剣に考えなければいけない。

それを考える上でも先に挙げた3冊は何らかのヒントを与えてくれるのではないかと思う。

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