7-本の紹介

「要領良い文章」を書くには

「どのようにして、伝えるべきメッセージを過不足なく伝えるか」

文章をいかに書くか、上手い文章表現について、などなど「文章読本」は山ほどある。

その中でも「理科系の作文技術」は際立っている。

理科系の作文技術 (中公新書 (624))
中央公論新社
発売日:1981-01
発送時期:在庫あり。
ランキング:1274
おすすめ度:4.5
おすすめ度5 手取り足取り
おすすめ度5 これ1冊マスターすれば文書作成能力は格段にあがりそう
おすすめ度5 教科書にしたい
おすすめ度5 準備から校正まで
おすすめ度5 読んで損はない

初版は1981年であり私が手にしたのは63版である。
これぐらい長く親しまれている新書であるから、多くの方がご存じであろう。しかし、それでも重ねて紹介したくらい内容の詰まった良書であると私は思う。

書かれている内容はタイトルの通り「作文技術」である。
一応後半では講演発表の手順なども紹介されている。が、ベースは「文の書き方」であり、「文章を組み立て方」である。

「仕事の文章」の対象

著者の主張を要約すればこのようになるだろう。

メッセージを過不足無く伝える上で表情豊かな「レトリック」は必要ない。また幾通りもの解釈が可能な文章は無意味であるばかりではなく有害ですらある。
「仕事の文章」においては、事実と意見だけに限られていて心情的要素は一切必要とされない。

この本の中では「仕事の文章」というは「理科系の人が仕事のために書く文章で、他人の読んでもらうことを目的とするもの」だけに限られている。例えば原著論文や論説などを思い浮かべれば適切だろう。
しかし、その対象は現代において一般的な「ビジネス」の文章にまで拡大できるのではないかと私は思う。

「要領良い文章」を目指す

「仕事の文章」のモットーは、「必要な事が全て書かれ、不必要な事が一切書かれていない」文章であり、「順を追って読めばその内容が明確に理解できる」文章である。

情報が溢れる現代、そして忙しいビジネスパーソンにとって「要点がわかり、かつ簡潔な文章」(「要領良い文章」と呼んでおく)は読む側にとって非常にありがたいものだ。
特に報告書やメールでの業務連絡において「要領良い文章」は業務効率を上げてくれる。
もちろん、その逆もまた然りだ。

「要領良い文章」を目指す上で、2章「準備作業(立案)」・3章「文章の組立て」・8章「わかりやすく簡潔な表現」が参考になるだろう。
For example
・目標規定文(2章)
・重点先行主義(3章)
・文は短く(8章)
・まぎれのない文を(8章)

文章を書く姿勢

また、6章「はっきり言い切る姿勢」は技術というよりも文章を書く姿勢として非常に参考になる。
はっきり言い切らない文章は書く方に取っては楽なものだ。
しかし、読む方にとっては責任が不明確で重要度が測りかねる文章に感じられる。
重要なことを伝える文章であれば、この「はっきり言い切る姿勢」は意識して書くべきだろう。

まとめ

基本的に他人に向けて書く文章というのは、「何か」を伝えるために書くものだ。
その「何か」を意識し、飾り気無くかつもれなくそれを書きしるし、他者の視点から文章を見直す。これができれば「要領良い文章」は自ずと出来上がってくる。

そして、それを続けていけば「要領の良い思考」というのも自ずと生まれてくる、というのは私の過大な期待であるい。しかし「要領の良い文章」は要点をいかに抑えるかにかかっている。それは思考の訓練として十分耐えうるものではないだろうか。

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