情報管理ツール考察:既存のツールについて その1

情報管理ツールについて考えてみたい。

話を展開していく前に、私が注目しているいくつかのツールの概要をまとめるところから始めてみよう。

今回と次回の二回を使い、以下のツールについて検討する。

  • Evernote
  • WorkFlowy
  • Ulysses
  • Scrivener
  • Scrapbox

Evernote

Evernoteは、ワンライブラリ式の情報管理ツールである。ユーザーはファイルという単位を気にすることなく、このツールを開けば、手持ちの情報すべてにアクセスできる。

Evernoteにおける情報の単位は、「ノート」だ。ノートは複数行を許容するだけでなく、画像や音声といった多様なファイルを埋め込める。

Evernoteの情報閲覧の単位もまた、ノートだ。基本的に1タイムには1ノートしか閲覧できない。二つ以上のノートを選択した場合は、以下のように操作用の表示に切り替わる(画像はMac版)。

ノート同士をマージすることは可能だが、操作としてスプリットすることはできない。また、マージの際も、(上記のUIの理由から)中身を確認しつつマージするかどうかを決めることもできない。

Evernoteでの情報単位は(つまりノートは)、「ノートブック」というひとつ上の概念によって束ねられる。さらにそのノートブックは「ノートブックスタック」というもうひとつ上の概念によって束ねられる。階層化の上限はここまでである。無限ではない。

代わりに、Evernoteは「すべてのノート」を一覧表示できる。その中身までは閲覧できないが、すべてのノートのタイトル(&シノプシス)を一覧できる。

Evernoteでは、項目の整列は基本的に固定である。ユーザーの任意で入れ換えることは不可能だ。ただし、ソートの方式を選択することはできる。その意味で、強くデータベース的ではある。

WorkFlowy

WorkFlowyもまた、ワンライブラリ式の情報管理ツールである。

WorkFlowyにおける情報の単位は、「項目(item)」だ。itemは、単行のみを許容する。改行を入れれば、新しいitemが生成され、ひとつのitem内に改行を含む文章を入れることは不可能だ。ただし、それぞれのitemはノート(note)というサブ要素を持つ。そこでは複数行の入力は許容される。

また、itemにせよnoteにせよテキストしか許容されない。多少リッチテキスト要素はあるものの、基本的にはプレーンテキストのような扱いだ。

WorkFlowyにおける情報閲覧の単位もまたitemである。ひとつのitemに含まれるものすべてを閲覧できる。

itemは、別のitemを下位に含むことができる。その含まれたitemもまた別のitemを含みうる。これは再帰的に繰り返される。つまり、ひとつのitemにはそれに属するnoteに加えて、他のitemがあり得る。それらすべてについて情報閲覧単位が設定される。しかし、noteはitemの付属品であるので、noteだけを表示させることはできない。

WorkFlowyの全体像もまたひとつのitemであるので、全体像の閲覧と、一番下にあるitemだけの表示は、基本的に同じことである。単に含まれている情報(itemの数)が異なるだけだ。Evernoteのように、ノートとノートブックのような関係はそこにはない。すべてのitemは、属性において対等である。

また、個々のitemの下位要素の表示のon/offを切り替えることにより、二つ以上のitemの中身(ただしそれは含まれるitemのこと)を同時に閲覧できる。Evernoteであれば、Aのノートを表示させているときは、同時にBのノートの中身を確認することはできないが(※)、WorkFlowyでは簡単に可能である。
※まったく不可能というわけではなく、独立ウィンドウを使えば可能となる。

付け加えれば、WorkFlowyでは、すべてのitemが任意の順番で並べ替えられる。ダイレクトにマージする機能はないが、itemの行途中で改行を入力すれば、そこでitemはスプリットする。

Ulysses

Ulysses“>Ulyssesもまた、ワンライブラリ式の情報管理ツールである。

Ulyssesの情報単位は、「シート」である。シートは複数行を許容する。また、基本的にはプレーンテキストであるが、最近画像も配置できるようになった。

そのシートは、「グループ」によって束ねられる。グループの中にシートは配置され、その場所は任意で入れ換え可能である。ただし、シートの中のテキストはそのような入れ替えはできない。これはEvernoteと同じであり、WorkFlowyとは違う点だ。

グループはシートだけでなく、別のグループを含めることができる。そのグループもまた別のグループを配置できる。これは再帰的に繰り返せる。

Ulyssesにおける情報閲覧の単位はシートである。ただし、シートは複数枚選択すれば、そのすべてが統合されて表示される。これがEvernoteと違う点だ。すべてのシートを一覧するためのコマンドは存在しないが、すべてのシートを選択すれば擬似的に望むビューが得られる。

シートはマージすることも、任意の場所でスプリットすることも可能である。この点はEvernoteと比べて極めて自由度が高い。

(次回に続く)

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