民主党の政権公約の修正版が出たようだ。以前のものは修正されると明言されていたので、「ブレ」たような感じは受けない。
そしてこれが時期的に見て「正式版」ということで問題ないだろう。
読売新聞の記事より修正点を見る。
民主マニフェスト5か所修正…要望や反発受け(読売新聞)
◆民主党マニフェストの主な修正部分◆
▽特定扶養控除、老人扶養控除などは存続。配偶者控除廃止後も年金受給者の税負担は軽減
▽国と地方の協議の場を法律に基づいて設置
▽「日本経済の成長戦略」として、子ども手当などで消費を拡大。農林水産業、医療・介護分野で雇用を創出
▽「米国との間で自由貿易協定(FTA)を締結」との表現を「FTAの交渉を促進」と変更。「食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない」と追加
地方分権については、協議の場を設けるとなっているが、明確に「道州制」を確立するという表現には至っていない。しかし、名前だけの道州制を作ることになるよりは、じっくり競技する場をもった方がよいのかもしれない。改革は実施される内容とスピードがともに重要だ。どちらか片方に比重を置きすぎると意味のない、あるいは有害な改革になってしまうことは、「郵政民営化」が明確に示しているだろう。
農林水産業、医療・介護分野で雇用を創出とあるが、現状この分野で働いている人々の労働環境についてまず改善する必要があるのだではないかと思う。今の状況で単に雇用を増やすような政策を無理に行っては弊害は現場で働く人にでてきてしまうだろう。
FTAに関して発言が弱くなり、農業関係者に配慮したことがよく見えるのだが、今の民主党の農業政策では自給率も農家の問題もまったく解決しないだろうと思う。
税金や年金の問題は制度全体から考えて細部を調整していくものであって、今の制度そのものに関していろいろやっても特に意味はないと思う。
結局、修正といってもそれほど大きなものは出てこなかった。マニフェスト発表から今までで出てきた反発の声を鎮めるものだった、という印象しかもてないものだ。
今回の選挙では本当に政策が論点にはならないだろう。それが果たしてまともな政治なのかどうか、というのは民主党が政権を取ってから再び考える必要がでてくるのだと思う。