情報管理ツール:中ぐらいの断片を扱うためのツール

前回:情報管理ツール考察:ツールごとの断片の扱い方

いびつなサイズ分布

もう一度、各ツールの断片のサイズを思い出してみよう。

WorkFlowyは「一行」だった。これはアウトライナーに基本的に共通する単位でもある。対してEvernoteは「ノート」だった。複数行からなるサイズ感のあるテキストを許容する。

その間にいくつかのツールが配置されるわけだが、その分布が「大きいサイズ」に偏っている点に気がつかれただろうか。一行の次には、もう巨大なテキストになっている。言い換えれば、2〜3行くらいの、ほどほどの感ある情報量を単位とするツールがない。

いやいや、Evernoteだって2〜3行くらいのノートを作れるじゃないですか、と反論されるだろう。たしかに、そのようなノートを作ることはできる。しかし、その取り回しや表示はどうだろうか。そのようなサイズ感の情報に適したものになっているだろうか。

以下は、Evernote for Macの「サイドリストビュー」である。当然のようにタイトルしか表示されてはおらず、2〜3行目は見えてこない。

一方そのノートと言えば、このように巨大な空白がある。

これを「適したもの」と言うのは難しいだろう。

だったら、「カードビュー」はどうか。

改行が死んでいる点は若干気になるが、そこに目をつぶれば2〜3行目はきちんと表示されている。しかし、たとえば以下のカードはどうだろう。

一行だけのメモなのだが、今度は空白が大きすぎる。これも「適したもの」とは言い難い。空間が十分に利用されていないのだ。

中くらいの断片を扱うUI

ここで思い出してみよう。Twitterの画面だ。

一行は一行の幅(高さ)を持って、複数行はその複数行に合わせて可変に表示される。極小の断片から、少しサイズの大きい断片までを扱うのに非常に適したデザインである。

なぜ、このような表示形式を持つ情報管理ツールがないのだろうか。

「文章を書くのには適さないから」

おそらくそうだろう。しかし、ライティングにはさまざまなタイプがあるのであった。ストラクチャー・ライティング以外のライティングでは、いわゆる「文章を書く」はあまり意識する必要はない。よって、その工程に適したツールのUIがあってもいいはずなのだ。

一応、アウトライナーでは複数行を単位として扱えるのだが、そのためには上位に項目を作り、その下に複数行を配置する必要がある。それが若干大げさというか、情報的意味が強すぎるのだ。Twitterのように、複数行をひとまとまりとして、簡単に配置できるツールが、存外に少ない。

簡素なテキスト装飾

もう一つ、テキスト装飾について考えたい。

最終的なアウトプットを作っている最中でもない限り、過剰なテキスト装飾は必要ない。とくに、ブレスト・ライティングなどではまったく不要だろう。

その点では、Ulyssesが一番シンプルで、WorkFlowyとScrapboxがほどほどに使いやすく、ScrivenerとEvernoteはやや過剰である。

これもまた、最適なものはおそらくTwitterが一番近いだろう。Twitterの入力欄は、基本的にプレーンテキストである(あるいはそのように扱われている)。しかし、URLを記入すれば、Aタグとして、つまりリンクとして表示される。この「ほぼプレーンテキスト+リンク」くらいがあれば、多くのメモは十分ではないだろうか。

むろん、画像を放り込んだり、ちょっと文字を太くしたりといった要望はたまに発生するだろうが頻繁ではないだろう。メモの段階では、スタイルでごちゃごちゃ悩むようなことは避けたいし、そのためのUIであっても欲しい。

入力欄のサイズ

もう一点Twitterについて言及しておくと、Twitterは140字制限もあって、入力欄がそれほど広くない。私のパソコンだとだいたい500×80pxくらいである。このくらいの入力欄の方が、小さな断片〜中くらいの断片を放り込むのにぴったりなのだ。

余白が十分にある「ノート」に一行だけを放り込むのは、案外気が引けるものだ(アフォーダンス的なあれである)。私も経験上、一行メモに関しては、Macの上部メニューに表示されるクイックノートから作成している。その欄は、通常のノート画面に比べて縦も横もずいぶん小さいので、気楽に断片を放り込めるのだ。

その点は、一行しか入力できないアウトライナーでも同様の効果があるだろう。制限・限定・制約があることは、必ずしも悪いことばかりではない。ただ、個人的にはその単位をもう少しだけ大きくしたツールが望ましいように思う。

さいごに

今回の話を総合すると、Twitter的なUIを持つ情報管理ツールがあれば、それは小さな断片から中くらいの断片を扱う(≒操作する)ための適性を持つのではないか、ということになる。おそらく、その仮説は当たっているだろう。

なぜそんなことが言えるのかというと、7wrinerがまさにそうだからだ。それについては次回書こう。

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Rashita
物書きをやっております。実用書から小説までなんでもござれのハイブリッド物書きです。 ライフハックや仕事術、知的生産などに興味があります。

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