0-知的生産の技術

三日坊主日記を始めよう!

新年に、「今年こそは日記をつけよう!」と決意された方は手を挙げてください。

そういう方に「三日坊主日記」をオススメします。

三日坊主日記

三日坊主日記の要点は以下の二つだけです。

・ともかく三日だけ書く
・それを保存しておいて年末か来年の頭に読み返す

ひじょ〜〜に簡単ですね。いっそ美的なシンプルさすら感じられます。

「いやいや、そんなもので何かの役に立つの?」という疑問はもっともです。でもって、役に立つか立たないかと言えば、「もしかしたら役に立つかもしれない」程度でしかないでしょう。

それでも、まったくゼロではありません。そして、ゼロでないことは、ゼロであることよりも遙かに大きな可能性を持ちます。

上げすぎるハードル

ぶっちゃけた話をしましょう。

これまでまったく日記を書いていなかった人が、いきなり毎日日記を書く習慣を身につけるなんて、おっそろしく高いハードルです。マイク・タイソンと腕相撲して勝つくらい高いハードルです。新しい習慣を身につけるということは、だいたいにして難しいものなのです。

にも、関わらずです。そういうとき、人はいろいろ決めたがります。

「この日記帳を使う。こんなフォーマットで書く。こんな内容について書く。重要なことは赤色で。毎日定時に見返す。エトセトラ、エトセトラ」

そんなの覚えられます?

無理ですよね。

習慣はある行動の繰り返しでしか生まれえませんが、そもそもその行動のハードルをあげてしまっているのです。もちろん、「ライオンは自らの子供をがけから突き落として、這い上がってきたものだけを育てる」的に、そういうハードルを設けてもなお続けられるような行動であれば、習慣化はたやすいでしょう。でも、それは非常に単純な生存バイアスでしかありません。「できる人にはできる」的なトートロジーさを含む、無益なコンセプトです。

だから、ややこしいルールは決めません。無理な難易度も設定しません。「三日坊主」という言葉があるくらいですから、人は三日くらいなら続けられる、ということでしょう。そういうナチュラルな重力だけを信頼します。だから、三日坊主日記なのです。

ボーナスステージとしての追加行動

もちろん、三日分書いて、四日目にも書きたくなれば書けばいいですし、書きたくなければ書かなくてもOKです。すでに、三日分書いているならそれはもう「クリア」されているので、後はどうしようと自分の勝手です。あるいはボーナスステージみたいなものです。

普通の日記なら、空白期間は失敗であり、それがメンタルにダメージを与えてきますが、ようするそれは「減点方式」ということです。しかし、三日坊主日記であれば、三日目以降はすべて+1のボーナスポイントの加算です。「三日坊主日記 一日目」「三日坊主日記 二日目」「三日坊主日記 三日目」を過ぎれば、あとはすべて加算方式で評価が増えていきます。とてもすばらしい体験です。

たとえ50日間空白が空いたところで、気にする必要はありません。一日書き出せば、+1の加算となります。気負いなく、書き出せるはずです。

振り返り

あとは、そうして書いたものを無くさないことだけ注意しておきましょう。なにせ二つめの条件である「年末か来年の頭に読み返す」を達成するために必要ですからね。

そう考えると、一年間使うことが確定している手帳に書くか、あるいは専用の特別なノートを作るかのどちらかが良いかもしれません。もちろん常用しているデジタルツールがあるなら、それだって構いません。

ともかく一年ほど経って、そうして書いたものを読み返してみてください。ほとんど間違いなく、すっかり忘れている自分の体験、心象、出来事、感情が想起されると思います。そのときに、「ああ、もう少し、こういう想起を増やしたいな」と思ったら、あとは補助輪を外しても記録を続けていけるでしょう。

もし何にも思わないなら、たぶんその人はそもそも日記が必要ない人なのです。そういう人は無理して続ける必要はありません。それがわかるだけでも、きっと儲けものでしょう。

さいごに

記録を続けていくために必要なのは、外部から煽られるメリットではありません。そういうのは理屈としてはわかっても、感情の動因としては短期的なものでしかなく、時間が経てばすっかり忘れてしまいます。

必要なのは、記録を残しておけばこういう体験が得られる、という実際的な経験です。その経験があれば、記録を残すための内発的な動機付けは生まれやすくなりますし、また、どんな記録をどのように残しておけばいいのかの手がかりも得られます。

だからまずは、記録を残すことを大げさに考えず、ハードルを下げ、かつ加点方式で評価しやすい「三日坊主日記」から取りかかってみるのはいかがでしょうか。

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